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三越伊勢丹の業績予想からコロナを読む [業界話]

三越伊勢丹ホールディングスが四半期決算と業績見通しを発表しました。
(リリースが分かれているのでリンクは省略させてもらいます)
マスコミによって数字の取り上げ方が違いますが、
超端的に言うと赤字ってことですね。

個人的に注目したのはコロナ関連で特損を約122億円計上したことでしょうか。
それに伴って繰り延べ税金資産も53億円取り崩し。
しかし繰り延べ税金資産って業績への影響がより大きくなりますよね。
逆レバレッジがドーンと効いてくるのが今回の件でもよく分かりました。

とはいえ特損122億円の中味が気になりますが特に分からず。
イオンモールが158億円でしたか、あちらは家賃がメインでしょうけど、
三越伊勢丹の場合は人件費でしょうかね、やっぱり。
旗艦店は自社物件でしょうし、人が資産の会社ですから。

ただ、今後もインバウンドの減少が見込まれることを考えると、
店舗の減損も視野に入るかもしれませんね。
繰り延べ税金資産同様減損も昨今の会計ルールで
逆レバレッジを働かせてしまうものですけど・・・

イオンモールはコロナ禍の影響がまだ小さい地方がメインで
そこそこ売上の回復も見込めますが、
大都市旗艦店に業績を頼る百貨店業界の場合、
地方で支えるということが事実上できないわけで、
そこがネックになりますね。

通期の予想も600億円の赤字予想ですしイオンとは大違いの予想です。
しかし、誰がどう見ても黒字にはならないでしょうから、
赤字予想は至極真っ当で正直であります。
問題は、果たしてこの数字が正しいのかどうかですね。
リリースで第2波の影響によっては下振れリスクがあるとかいていますし。
現時点で売上は1/4ダウンという激減予想が、
さらに減ったらもう大変です。

今年の業績は三越伊勢丹に限らず、
百貨店業界全体が同じトレンドになるでしょう。
合従連衡さえも許されない状態になりかねません。
会社を残すか店舗を残すかという決断に迫られる百貨店も出ちゃいますかね・・・
自社物件の百貨店だとそこまで一気に落ち込みそうで心配です。
業界にとって大きな節目になる年になりそうですが、
なんとか生き延びてほしいものです。
やっぱりハレの買い物スポットって大事ですから!
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イオンモールの四半期決算から新型コロナを読む  [業界話]

イオンモールが2020年第1四半期決算での特損計上を発表、
赤字転落が明らかになりました。また、今年の業績予想を発表しました。
(イオンモールのリリースはこちらになります)
通期の業績予想は減益ながらも単独での黒字を見込み
はたして新型コロナの影響はどうなるか、注目されます。

イオンモールもグループ全体で現在国内165施設の運営ですか、
随分大きくなったものです。
その分休業した負担も大きく今回の四半期決算で約158億円の特損を計上しました。
リリースには特損の具体的な費目が明示されており、
「休業期間中の地代家賃や減価償却費等の固定費、賃料減免によるテナント支援」
とのことですが、今後も休業に追い込まれる事態が発生すれば
このくらいはダメージが発生するということでいい数字が読めました。
また、特損として数字を出したのは投資家にとってもいいことです。
もちろん私のような物好きもいいことなんですけど。

あとテナント支援がどのくらいだったか知りたかったですね。
明示しなかったということはさほど出ないというわけではなく、
競争戦略上のジレンマもあったんでしょう、きっと。
でも、それなりの金額にはなったはずですので、
全くしなかった企業とは違う、ということはハッキリ言いたいと思います。

3~5月の数字なので、超単純計算で1モール1億円程度の損失です。
4月くらいから営業自粛の動きがありましたが、
全施設を休業したのは実質1ヶ月半くらいでしょうか。
ということは月あたり100億円くらいが損失になる訳ですね。
いやー巨額です。でも通期では盛り返す予測を立てたのは、
なんかトヨタが通期予想を発表したのと同じような意識を感じます。
流通業界のリーディングカンパニーとしての矜持とでもいいましょうか。
イオン本体でなくてもイオングループとしての意志を感じます。

あとはこの先再度の休業に追い込まれるようなことがあれば、
モールの減損という話しが出てくるわけで、
そうするとまた状況は変わってきますよね。
イオンモール本体で持っている物件は全部ではないにしても、
モールは単価がデカイですからねぇ。
そのあたりもイオンは気になると思いますが
ますは業績見通しは何点になるか、決算を待ちたいと思います。

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従業員の感染で店を開けるべきか?閉めるべきか?~新型コロナ四方山話1~ [業界話]

新型コロナウイルス感染症の影響はとどまるところを知らないですが、
今回は店舗を開けるべきか?閉めるべきか?をテーマにしました。
まずは直近のメジャー施設の例を。

2020年7月2日(木)に渋谷パルコにて(テナント)従業員の
新型コロナウイルス感染が発表されました。
これを受け同店は15:00にて閉店、店内消毒作業を行い
翌7月3日(金)には営業再開したようです。
「ようです」というのも、今回の渋谷パルコに関しては
PARCOの企業Webサイトには特に情報がなく、
渋谷パルコの店舗サイトに情報があるのみ。
それも7月3日に営業予定とあるだけなんでして・・・
これだけニュースになったんですから「お店やってますよ」って
ちゃんとお知らせして欲しいですよね。SNSでいいんで。
むしろ正式なリリース無くても良いですから・・・
まぁそのくらいニュースバリューは下がっているんでしょうけど。
まさかそっと開けたいということはないと思うので、
そこまで気が回らなかったんでしょう、と前向きに?捉えておきます。

と、こんな感じなんですが、既に従業員が感染したというのは
店舗の存続を左右する要因ではなくなりましたね。
初期の頃は、従業員の感染が発覚したら
店舗を休業してしてくまなく消毒して、
他の従業員の体調も確認して、感染症対策を講じて
数日かけてようやく営業再開という流れでした。

渋谷パルコは実質数時間の休業で営業再開にこぎ着けましたが、
おそらく今後は休業自体なくなるかもしれませんね。
これもいわゆるニューノーマルでしょう。
そうなると、初期の頃みたいな防疫対策はなんだったのかとなります。
一度やった企業はそれを続けざるを得ないのか?
あるいは企業による対応の違いが長期的な集約力に影響するのか?
実は分かれ目にいるんじゃないかと思います。

経済的というか経営体力的には軽微な対策で済めばいいわけで、
消毒作業自体も実際どんなことをしているのかという情報はかなり減っています。
そんなニューノーマルに流されるかどうか、
経営者は消費者にみられていると私は思います。

まだ新型コロナウイルス感染症には分からないことも多く、
限られた資材の中でどんな消毒をし、どんな対策を行うのか、
いずれ検証されるときが来るでしょう。
そう考えると、”落としどころ”ってホント難しいと思います。
流通各社の”叡智”を信じて買い物に行きたいと思います。
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レジ袋有料化~エコか経費削減か~ [業界話]

2020年7月1日より、いわゆるレジ袋有料化が義務化されました。
これをきっかけにビニール製レジ袋以外にも紙袋など
一切合切有料化するのが大きなトレンドですね。

レジ袋はいわば象徴として有料化されたわけで、
これから社会全体で脱ビニール(脱ポリ)が進んでいくんでしょう。
3円、5円がほとんどだと思いますが、
これが与えるインパクトは意外と大きいのかどうなのか、
今年度の各社の決算で明らかになると思います。
コンビニで期限切れ間近の弁当を5%ポイント還元しただけで
それなりの廃棄減少がみられたとも言いますから、
コンビニ4~5万店を筆頭に流通各社全体でみるとそれなりの
ボリュームにはなると思いますが、各社の経営面でみるとどうなるか、
さっぱり予想がつきません。

というか、今年は新型コロナの影響が大きいので、
影響を計るタイミングとしては最悪ですが、
経費削減という側面でみると有料化による経営面への影響はどうなんでしょう。
まぁ微々たるものではあると思いますが、
本来だったらもっと大々的にショッピングバックプレゼントキャンペーン!
を各社打ってたんじゃないかなと個人的に思います。
でもそんな小さなことからコツコツとが効いてくるのが流通業界でもあるので、
各社の経費面での利益貢献を知りたいなーと思っています。

あと確実なのが買い物袋バブルが崩壊したあとですよね。
無残に投げ売りされないことを祈りたいです・・・
買い物袋の生産も計画的にお願いしますよ!

しかし、5%還元の終了とレジ袋有料化、そして新型コロナ。
アパレルをはじめ影響はドンドン広がるでしょう。
これからはしっかりその様子をチェックしていきたいと思います。


ということでパスワードが分からなくなったから始まり
いつの間にかブログの会社変わってたりして
いろいろあって休眠していましたがリブートします。
また宜しくお願いしますm(_ _)m
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大番頭、散る!~何だかんだいっても番頭の自覚あり?~ [業界話]

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長が辞意を表明しました。
マスコミ報道のみでリリースはありませんが。
一つの時代が終わり、セブン&アイにとっては激動の数ヶ月が始まります。

いろいろマスコミに報道されていますが、
要は子会社の社長の首を親会社のCEOが取れなかった。
さらに、これまで支えてくれた創業者がクビ取りに反対したので辞めます、
というお話しですね。
晩節を汚しましたが、創業者と溝が出来たので辞めます、
というのは大番頭として判断を間違えなかったといえるのではないでしょうか。
そこを私は高く評価したいと思います。(私が評価してもしょうがないですけど(笑))

人事が思い通りにならないから辞めるというのは、
もう時代錯誤甚だしいと思います。
だったら指名委員会なんてやらなきゃいいだけの話ですから。
世間になんといわれようと社外取締役も最低限だけにしておけば、
そんな思いが鈴木氏にあるかも知れませんね。
まぁ日本の大企業としてそれは無理だったんでしょうけど。

記者会見の模様を見ましたが、もう老害そのもの。
消費者を相手にする企業なんですから、
自分がどうのこうのよりも世間への悪印象を最低限に抑えるべく、
黙して語らずとはいかなかったのが、創業者との違いでしょうか。

伊藤雅俊氏はサクッと辞めましたよね。
あの引き際にイトーヨーカ堂は随分救われたと思います。
それも、鈴木氏というあとを任せられる大番頭がいたからですけど。
そして大番頭は獅子奮迅の働きで日本を代表する流通コングロマリットを作り、
経営者として一時代を築いた訳です。
しかし、自分はあとを任せる代わりの番頭(大番頭でなくても良いんですよね)を
ついに定めることが出来ず、最後は大立ち回りを演じてしまった。
まぁこれも名をなした人間にしか許されない出来事ですから、
当事者でない外野としてはしょうがないね、で終わりです。

が、しょうがないで済まされないのがセブン&アイ。
今回のはイトーヨーカ堂の亀井社長再登板のあたりからおやおや?
という感じがありましたので、そのころからくすぶりだしたんでしょうか。
でも大番頭の最後の矜持で身をひいたので、
あとは次の経営陣がどうなるか、暫し混乱のグループ運営は避けられなさそうです。
これをきっかけに創業者が混乱収拾に再登板なんて
みっともないことが起こらないことを祈ります。
当の本人が一番嫌でしょうから大丈夫だとは思いますが。

大塚家具の内紛~流通業界の負の側面~ [業界話]

大塚家具の内紛がメディアをにぎわせています。
大塚家具からすればマスコミが勝手に騒ぎを大きくしているだけ、
なんでしょう、きっと。それについてどうこう言うつもりはありません。
だって、結局株主総会で経営陣が決まり、
その経営陣の運営する店舗をお客さんが支持するかどうかが全て。
外野がどうこういっても・・・
まぁ一番何とかして欲しいのは従業員でしょうけどね。
お客は店を選べるし、当事者は権力闘争でエキサイトしているし、
現場だけがどうしようもない状況でしょう。

引退できない創業者と、意見がバラバラな第2世代。
オーナー企業で創業者は絶対です。跡を継ぐのはもちろん親族。
しかしその親族が一つにならなかったから起こった今回の騒動です。
少なくとも兄弟姉妹が一致してればもうちょっと話は穏便に進んだんでしょうけど、
そこが割れてしまった以上揉めるのは必至。
経営方針の内部統一、相続の周到な準備がなされなかったと言う点で、
創業者は失敗したといわざるを得ないでしょう。
流通業界の負の側面が噴出している感じです。

経営者は信頼できストッパーにもなれる番頭役のNo.2を得るか、
後事を託せる後継を育て、任せたら身をひく勇気が必要じゃないかと思います。

セブン&アイがこれだけ大きくなったのも、
創業者が不祥事で急遽退陣しても、
その跡を継げた大番頭の存在が大きかった。
イオンは創業者が元気なうちに代替わりを行い、
あれこれ口出しをしない勇気を持っていた。

しかしダイエーは番頭たり得た人材がいたものの、
オーナーが次々と遠ざけてしまい暴走を止める人材がいなかった。
マイカルは後継者が育たぬうちに経営のバトンタッチが次々行われた。
西友は優秀な経営者は多かったが全体をに目を配りオーナーを止める番頭がいなかった。

全国の中小流津企業オーナーは、今回の騒動を見て、
今後どう会社を次世代に渡すか考え始めたに違いありません。
これが今回の一番の好影響でしょうね。
早めに代替わりをしたり後継者を定めたりする動きが出るでしょう。
そのうち、どれだけの企業でオーナーが引退できるか注目です。
オーナーが復帰する例って多いですもんね。
社長じゃなくても、人のやることにあれこれ口を出したくなるのが人間。
それが自分が作った会社だと入れ込んでいる創業者が、
じっと我慢して口を出さないというのは大変な努力が必要でしょう。
でも、創業の苦労に比べれば、それってたいしたことないと思うんですよね。

今回は社外取締役の票も役員会を左右したようですし、
単なるお家騒動とも若干趣が違います。
社外取締役とか資産管理会社とか株主提案とか、
テクニカルな攻防戦がしばらく続くのではないかと思います。
その辺はきっとどこかの経営学者が論文にするでしょう。
評価は専門家に任せたいと思います。

ただ私が注目したいのは営業力についてです。
肝心のお話しが最後にきて力尽きそうですが・・・・ここからが一番いいたいこと。
現場で事の成り行きをじっと見守る従業員は大変です。
でも、こういうときに営業力があるかどうかがはっきりすると思います。
今回の騒動では両者とも営業力には自信がある様子。
ならば、ネガティブな状況でどう接客していったか、
騒動が終わった後でその記録をまとめたら、
大塚家具にとって大きな財産になると思います。
これほどの逆風はないですからね。
逆境こそ営業力を磨くチャンスです!
逆境を糧に反転攻勢に打って出る機会が従業員に与えられるよう、
生き残って欲しいなぁと思います。

堤清二逝く~最後のインキューベーター~ [業界話]

1ヶ月ほどたってしまいましたが、2013年11月、
セゾングループ「総帥」堤清二氏が亡くなられました。
総帥と書きましたが、そういうイメージがぴったりだと思います。
「オヤジ」といえばダイエー創業者中内功氏(漢字がでなかったので今回はこの功で)、
「番頭」といえばセブン&アイの鈴木敏文氏、
「ジュニア」といえばイオンの岡田元也氏、といった感じ。
グループを統率したという点で総帥って私は思うんですよね。
じゃぁイトーヨーカドーの伊藤雅俊氏は?といわれると影が薄いですが、
やっぱり「親父さん」ですかね。イオンの岡田卓也氏は「タクボン」ってなります。
まぁどうでもいい話ですが・・・

さて、その堤清二氏。
最終的にはセゾングループが解体されてしまいましたが、
その経営手腕、特に業態開発力はすばらしいと思います。
それは解体されたセゾングループの企業が、
ほとんど残って現在も有力企業として残っていること。
訳あって安い「無印良品」、生活雑貨で東急ハンズと双璧をなす「LOFT」、
イオンとJフロントリテイリングが取り合ったファッションビルの「パルコ」、
しっかり業界で存在感を放つ「ファミリーマート」、
そごうと統合して業界再編をリードした(せざるを得なかった?)「西武百貨店」、
ウォルマート傘下となってさまよいつつも生き残る「西友」、
流通系クレジットカードの先駆けでアメックスとの提携カードも出す「クレディセゾン」、
なかなかの面々ではないですか!
まさに業態のインキュベーターというべき存在です。

西洋環境開発という不動産デベロッパー事業での失敗がなければ、
セゾングループとして生き残りをはたし、
今頃はイオンVSセブン&アイVSセゾンと流通三国志の時代となっていたのでは?
そう思えてなりません。もっと新しい業態も生まれていたかもしれませんしね。
ザ・モールがイオンモールと真っ向勝負を繰り広げていたのでは?
なんて思うとなおさら残念です。
どちらかというとセブン&アイにそごう西武、ロフトと入ったので、
ヨーカドー・セゾン連合という感じがしますけど。

ダイエーグループも一時は日本最大の流通グループを形成しました。
しかし、そのグループ企業はどうなってしまったのか?
いまや生き残っているのは三菱商事傘下のローソンくらいでしょうかね。
いまや見るも無惨な状況です。
肝心要のダイエー本体もイオンに吸収されるのは時間の問題でしょうし。
マイカルグループも同様。すっかりイオンに吸収されてしまいました。
そう言ったライバルの行く末から見ても、セゾングループの企業は優秀です。

しかし、なぜこうも有力企業を生み出せたのか、そこはやはり「感性」なんでしょう。
文化人としても評価が高い氏の業績が、西武の祖業である不動産でコケたというのが
何ともいえない運命の皮肉にしか見えません。
また、吉野屋など傾いた外食業を引き受けて立て直したりもしています。
流通、広い意味での「食」は感性の部分が大きいのかな、と感じました。

そういう意味では、最近の流通業のリーダーで感性を感じる人は誰でしょう。
といって思い浮かばないところをみると、やはり傑出した人物出会ったと思います。
海外から輸入した業態でないオリジナルの業態を残した、
氏の流通業界における功績をもっとたたえて欲しいな、そんな感慨を持っています。
ということで、旧セゾングループの今後の活躍を応援したいものです。

絶えない不適切投稿~「無常識」世代への対応~ [業界話]

今年の夏、流通業界を襲った一番の問題はまさしくこれでしょう。
SNSを中心としたインターネットでの不適切画像の公開、
いわゆる不適切投稿ってやつです。
一部では「従業員テロ」なんて表現も使われたりしますが、
ただただ、困ったモノだとしか言いようがないです。

以前も牛丼チェーンでの「テラ丼」騒動などありましたが、
あれから6年ほど経っているんですね。
小学校終わる位の年月が流れれば世の中では忘れられているんでしょうか。
まぁ当時小学生くらいだった世代が問題おこしているとすれば、
小学生でもニュース見せて親がきちんと教育しないと、って話になるんでしょうか・・・
まぁ「教育」はいろいろありますので、ここでは「従業員教育」に話を絞りましょう。

どの企業でも正社員だろうがパートだろうがアルバイトだろうが、
採用したら必ず行うのが従業員教育です。
会社への出勤・退勤の仕方から始まって各種手続き、福利厚生の説明をして、
そのあと実際に担当する業務についてトレーニングをする流れでしょう。

アルバイトなんかの場合は特に前半の説明は軽くすませ
(保険とか年金とか税金とかあまり関係ないし)、
仕事を早く覚えて現場に投入することが多いと思います。
アルバイトに座学の講習をたっぷり行うところはごく少数派でしょう。
特に店長一人が正社員のようなチェーン店の場合なおさらです。

そこで問題になるのが最近の若者たち。
私は最近の若者を「無常識」と呼んでいます。
常識を知っている人には非常識という言葉が通じますが、
常識がない人には通じませんよね。だって知らないんだから。
そういう人はもう「無常識」として全て知らないという前提で接する必要があると思います。

「無常識」が良いか悪いかはここで触れませんし、それを攻めるつもりもありませんが、
現実がそうである以上、一から十までどころか一から百まで教える覚悟が必要でしょう。
例えば冷蔵庫に入った写真を撮る場合、
別に汚いとか自分が食べるものじゃないから関係ない、
別に壊したり汚したりもしてないし許容範囲でしょ、
的な発想をしているわけですよね。

食べ物の衛生状態をキープするために多大なる労力を費やしていることを、
きちんと原料が製造されて物流網に乗って店舗に届くまで、
どんなルートでどんな苦労の元にどれだけの人の手を介してそこにあるのか、
そういった話をした上で、何が良いことで何が悪いことなのか、
どちらとも判断付かない場合はどうすべきなのか、
そこまで教えて初めて「従業員教育」が実現する時代になってしまったんです。

お客様が変化するように従業員も変化しているんですよね。
そういう意味では、商品や接客が進化するように、
従業員教育も進化する必要がありそうです。
まぁ進化なんだか退化なんだか分かりませんが・・・

しかしどうやったらこういった不適切投稿を予防できるんでしょうか?
採用時の見極めなのか、普段からのコミュニケーションなのか、
あるいはそういったことを起こさせない「仕組み作り」なのか。
現場はあんなアルバイト採用したのは誰だと言い、
現場はなぜあんなことを防げないんだという不毛なことでは何も解決しません。
目先は見回りを強化するとかやってはいけないことを細かく明記するとか、
そんなことになると思います。でも、数年後にtwitterやFacebook以外にも
様々なツールが表れているでしょうし、
また世間から忘れられた頃に起こる可能性があります。
そういったことが昔あったな、ということを教育する側が忘れず、
教訓として従業員教育に生かしていくこと、それが一番大事かも知れません。
やはり従業員のせいにするよりも、自分たちを見直すことが大事ですから。

イオンモールの資金調達から見えるもの~巨額投資のモール~ [業界話]

イオンモールが新株発行による公募と第三者割当を組み合わせた増資による
約680億円に及ぶ資金調達を発表しました。(リリースはこちら
このところイオンモールの動きが活発化していましたので、
資金調達の話は当然といえば当然です。
が、その中で私が注目したのはモールへの投資額です。
巨額投資がなされている一端が垣間見える貴重な資料だと思いますので。

リリースのなかで資金の使途が記載されています。
2013~14年にかけてオープンを予定(一部既にオープン済)している
6つのモールへの投資額です。
イオンモールとしても最大規模となる幕張新都心への投資が約500億円。
レイクタウンが社長がポロッと口を滑らせ800億円の投資だったといわれてますから、
それよりは少ないもののかなりの投資です。
その辺のローカルSMで年商500億ってそうそうないですからね。
そんな企業の年商を超える資金が必要になるんですから、
そうそうモールを作ることの出来る企業はあらわれず限られてしまうんですね。

あと、既にオープンしている春日部とつくばは完成直前でも
(特につくばでは)わずかしか支払いが行われていないこと。
まぁ土地建物の所有関係とかにも影響されるでしょうから一概には言えませんが、
完成する頃以降に資金需要が発生することが見て取れます。

しかし今回明らかになった6モールへの投資額は約1400億円。
今回の増資でほぼ半分をまかなうわけですね。
それに対し予想賃貸収入は約210億円。投資もデカイ分リターンも巨額です。
しかしそれだけの投資をしているからこそ失敗は許されないわけで、
やはりモールって「選ばれし」企業の業態なんだと思いました。
こういう情報はなかなか見れないので新鮮でした。
また他社のリリースにも目を光らせていかないと!

西友の虚偽証明書発行問題~やっぱり出たか・・・ [業界話]

西友が医薬品の登録販売者試験の受験に必要な、
実務経験証明書を虚偽の内容で発行していたことが発覚しました。
西友はリリースを発表し謝罪しました。(リリースはこちら)

やっぱり出たか・・・というのが率直な感想です。
第三者が証明するわけにはいかないですから、
やろうと思えばこういったことが出来てしまうわけですから。
リリースを読む限り、店舗からの申請を事務的に処理したから分からなかった、
というのが言い分ですが、そんなわけあるかい!と思います。

ここからは全くの推測ですが、おそらく医薬品売り場に1年在籍してれば、
みな証明書を発行して受験させろ、というのが会社の意志だったとしか思えません。
「7つの業務を月80時間以上1年間継続して」という条件があるので、
取りあえず1年いればみな受けるようにすれば数は稼げますからね。
それこそマネージャークラスは上司であるから担当していると見なす、
みたいなことが横行していた可能性はあります。

私が一番おかしいと思うのは、店舗に責任転嫁するやり方。
一部の店舗でおこなわれたのならばともかく、
19都道府県でとなれば全社的な行為としか言えないと思います。
コンプライアンスにうるさいアメリカ企業を親会社に持つ割には、
あまりにも日本的な対応でガッカリです。
合同会社で内向きの理論だけで行動しているからこうなっちゃったんですかね。
ニュースを見た人が、店舗が悪い=会社ぐるみではありませんといっても、
どれだけ納得すると思っているんでしょうか?
しかも発覚してから認めるまで日数経ちましたし、かなり後手後手。
アメリカ親会社の指示が届くまで何も発表出来なかった可能性はありますが。

最近は「KY」「バスケットプライス」といった価格戦略が
ようやく実を結び始めていたのに、これで一気にイメージダウンです。
意外とこういうのがターニングポイントになったりするんですよね。
今後の西友がどうなるのか注目していきたいと思います。

リリース最後に、従業員の雇用は継続しています、
というのはアメリカ的な感じがしました。
トカゲのしっぽを切ったり不当解雇はしていませんと。
ただ、「できる限りの対応を思慮をいたします。」というのは引っかかりますが。
思慮した結果、雇用を打ち切りましたとならないように、お願いしたいものです。

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