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百貨店も共通ポイントへ~どこまで広がる共通ポイント~ [販売戦略]

高島屋とドコモがdポイントに関する提携を発表しました。
(高島屋のリリースはこちら)
高島屋が共通ポイントで百貨店業界の先陣を切ったか、
と思って調べてみたら昨年10月に三越伊勢丹とCCCも提携していました。
(三越伊勢丹のリリースはこちら)
ということで、続々と百貨店に共通ポイントが乗り入れようとしているようです。

三越伊勢丹はリリースを要約すると
・共同出資のマーケティング会社を設立
・グループの百貨店でTポイントを導入
・提案型商業施設などの提案
という施策。ルクア1100の梅田蔦谷書店が結果的にその第一歩になったのでしょうか。
なるほど、という感じですね。

高島屋のリリースを見ると、
・高島屋でdポイントの付与と利用が可能に
・百貨店利用時dカードの決済でボーナスポイント
・タカシマヤカードでドコモ料金を払うとボーナスポイント
・新宿での共同エリアマーケティング(新宿にはドコモビルありますもんねぇ)
・相互送客とビジネス連携の模索
ということでこちらは双方向的な感じがしますが、
ボーナスポイントはどちらが持つんでしょうか?
そこは疑問ですね。

三越伊勢丹は会社まで作って踏み込んでますが、
実際のTポイントの使い方はまだまだ不明。
会社を作ったからにはエムアイプラザと蔦谷書店のハイブリッド店舗を
多店舗展開することなんかを考えているのかも知れませんね。
高島屋はハッキリしていますね。
お互いのハウスカードのポイント優遇ですからよくある話です。

しかし思うのは百貨店に共通ポイントを導入しても、
流出するだけでポイント経費の負担が大きくなりませんかねぇ。
百貨店は単価が高いのでポイントが貯まりやすいですが、
それをデパ地下とかで使ってくれればいいんですけど、
おそらく百貨店では使わないですよね。
ポイントの流出と流入が釣り合っているから意味があるのであって、
偏りが多いと経費負担を嫌って共通ポイントからの脱退につながります。
その辺をどう見ているのかマスコミのどこかで記事になるのを期待したいです。

そして残るはpontaと楽天ポイントですか。
残るはJフロントリテイリングとH20リテイリング、ですね・・・

ニトリの一斉値下げ~ぶれない販売政策~ [販売戦略]

ニトリが850アイテムの一斉値下げを発表しました。(リリースはこちら)
ニトリはもう何回目でしょうか?結構繰り返し一斉値下げを行っています。

一斉値下げと言えばGMSの十八番の販促策といえるかもしれません。
一時は2600とか3400とか値下げ品数を競った時期がありましたし。
イトーヨーカドー、イオン、ダイエー、西友・・・みな遅れるなと一斉にやりましたね。
ただ、GMSはほとんどが期間限定の値下げだったと思います。
GMS各社も一時的に値下げするといっても、
チラシ期間とかではなく月単位、長ければ半年とかやってましたから、
結構気合いが入っていたのは確かです。
でも、GMSやSMって定価があってなきがごとしですからね。
POPがついていないと値下げだったのかどうか微妙な商品が多くありました。
値下げ幅も5円、10円といったものもそれなりにありましたし、
個人的には微妙な販促策だと思っています。
それに一時ほど行われていませんしね、最近西友がまたやりましたけど。
イオンは「トップバリュbyベストプライス」という低価格PBを投入するという
荒技を繰り出したりしましたが、その後は一斉値下げという販促は静まっていました。

ニトリは当時から一斉値下げに参戦していましたが、
GMS各社と違うのは期間限定ではなくていわば定価を下げる値下げなんですよね。
今回のリリースにもありますが、「全工程を一括で管理することで可
能となる、様々なコストダウンの成果をお客様に還元すべく」一斉値下げに打って出ると。
家具はデジタル家電のように次から次へと短いサイクルで性能が上がり
既存商品が急激に価格下落している訳ではありません。
ニトリはそういう成熟した商品を自社の「製造物流小売業」としての特色をいかし
値下げを行うというわけですから、仕組みとしての値下げを実現しているわけです。
しかも、この手法が下火になっている中で継続するのですから。
ただ、一部地域手でテストマーケティングをしていた、
というのに若干の戸惑いも感じられます。
でも、最終的にまた打ち出してきたわけですから、
まだまだ有効な戦略だと認識しているわけですね。

これって単純にすごいことですよね。
ただ単に仕入れ原価を叩くわけでなくて、安く作り安く運び安く販売するシステムを確立し、
継続的に原価を下げるから売価を下げるというまっとうな商売をしているわけです。
SPAだったら当然ではないか、といわれそうですが、それを出来ない企業が多いわけです。
SPAでも無印良品なんかは昔から一部定番商品の価格見直しを行っていました。
ユニクロのようなアパレルは季節商品の塊なので値下げといっても毎年微妙に違うわけで、
機能を上げつつ価格据え置き、のように単価を維持したいのが透けて見えます。
だいたい単価下落を喜ぶ流通業者はいませんし。
その中で定価を値下げし続けるという販売戦略は異端で目立つわけです。

ただ、どこまで一斉値下げをニトリが続けられるのかな?
という疑問はあります。いずれ壁にぶち当たるときがくるはず。
そのときどういった手を打つんでしょう・・・
為替が円安に振れたときどうするかが直近の心配ごとでしょう。
まぁまだしばらく余裕がありそうですし、当面は値下げの恩恵に浴すとしましょう。

トップバリュコレクションの投入はどう転ぶ? [販売戦略]

イオンが「トップバリュコレクション」の投入を発表しました。(リリースはこちら)
別会社を設立し、GMS内にテナント形式で展開するということで、
形としてはルート80やキャンパスと同じような扱いになるんでしょう。
ジャスコ・サティゾーン内にわざわざショップを置き、
しかも店員もトップバリュコレクション社員が行うという力の入れっぷり。
余計なお世話ですが、今後の展開が心配になります。

イオンはジャスコの衣料品売り場を「イオンスタイルストア」として
大々的に打ち出してきました。
ディスプレーもうまくなり、商品陳列もヨーカドーとは大差を付け、
随分と成果を上げてきたと思います。売り場作りとしては。
販売にどう成果があがったかは数字的なデータがないので何とも言えません。
いまそこにトップバリュコレクションを投入すると言うことは、
これまでのイオンスタイルストアのイメージを損なわないようにするのか?
どうもそのあたりの差異化がよく分かりません。

トップバリュとトップバリュコレクションの棲み分けも、
ターゲットが異なるので問題ないとイオンはとらえているようですが、
所詮同じトップバリュと消費者は見るハズ。
この辺がイオンの得意な(?)業態に関する「おおらかさ」が出ているように思います。
あくまで、「ファッション追求型のSPAのトップバリュである」のがコレクションなのでしょう。
そうであるならば別ブランド、例えば「イオンコレクション」などの方が良かったと思います。
ただ、イオンスタイルストアも一応SPA型だったっと思うんですがね・・・
それに、イオンスタイルも同じようにショップ型の形式を取っているので、
その中に埋没するというか、差異化が分からなくなる心配もあります。
まぁ実物を見てみないと分からないというのが正直なところです。
私としては、イオンスタイルストアの総括の上で取り組むべきことではないかと思います。

一方、ヨーカドーは未だにpbiとか使ってますよね。
あの粘り強さは尊敬に値します。すでに失敗(?)の烙印(??)を押されても、
まだ何とか活性化させようとするチームMD精神とでも言いましょうか、
ブランドが悪いのではなく商品(企画)が悪い、ということで、
ブランドを浪費しないのは業績が悪いことを除けば敬服です。
が、肝心の売上が経たないことには失格であることは明らかだと思います。
最近すっかりヨーカドーのアパレルが取り上げられなくなりましたし。

そういった意味では、ブランドを大事にするヨーロッパの自動車メーカー型のヨーカドー、
日本の自動車メーカーのように1代限りでブランドを刷新していくイオン、
そんな違いが感じられます。トップバリュにこだわり、
その違いを消費者に受け入れられるかどうかが勝負の分かれ目だと思います。
正直、ブランドを打ち出しただけでは難しいと思うんですけどね。
何か、機能性インナーのような軸になるアイテムをトップバリュコレクションに
投入できればブランドが盛り上がると思います。
ユニクロブレイクきっかけとなったフリース、ユニクロ再興の礎となったヒートテック、
ノースフェースのダウンジャケット、ブームの陰にはキラーアイテム有り。
GMSでもキラーアイテムが出せるところを証明できれば、
イオンの販売力で何とかなると思います。
はたしてこの勝負はどうなるでしょうか?
また違うブランドのリリースが出ないことを当面祈りましょう。

研修生が作りました~若葉マークの張られた商品登場!~ [販売戦略]

今日晩の買い出しに秋田のマックスバリュに行って来ました。
そこで発見したのが、精肉コーナーにあった「研修生が作りました」シールの
張られたスライス肉の商品です。豚のスライスやブロックがありました。
商品を見る限りかなり安く(50円/100gくらい安いので??と思いました)、
価格も設定されていました。そして左上に若葉マークの入った「研修生が~」シールを
張ってあったんですね。いやぁ~こんなのはじめてみました。
インストア加工の分ですが、ようやく新入社員も作業に本格的に関わってきたんですね。
でも4月入社の社員にしては随分遅かったような・・・

ただ価格差を付けるのはどうなんでしょう?
純粋に商品としてはイマイチ(といっても切り方だけですからそんなに変わらないと思うんですけど)
だから良心的に価格設定しているのか、
もしかしたら古い肉や質的にいまいちなものを値段相応に売るために、
あえてそういった表示を付けて価格を下げているのかもしれません。
まっ、そういうことはないと思いたいですが。
シールで明示してあれば価格差は付けてもグラム10円くらいで良いと思うんですが。

世の中の世話好きな奥様方や明日は我が身の大学生なんかが買ってくれれば御の字。
プロモーションとまでは言いませんが、あえてシールを付けるコストをかけてまで、
そういった取り組みをするんだと、ちょっとマックスバリュに感心しました。
まさか、クレーム対策ではないですよね??
うーーん、どうもひねくれた見方が多くて申し訳ありません。
でも、新入社員もシール代を余計に会社に使わせコストアップになっているので、
早く独り立ちできるよう頑張ってください!
あとはどのくらいでシールがとれるか、忘れないように観察したいです。
まさか今週いっぱいで終わりってことはないですよね?
マックスバリュ東北さん!!!

無印良品週間 [販売戦略]

年に数回(おそらく四半期に1回が目安でしょうが)行われる
無印良品の会員限定セールが始まりました。
全品(値下げ品を含めて)10%オフ、ネットストアのアウトレットも10%オフです。
良品計画としてはいわゆるSPA企業ですから10%の粗利低下は
どうってことない範囲ではありますが、10日近くやりますから、
売り上げがどのくらい伸びるのか気になるところです。
平日で10%、週末で30%~50%アップでしょうか?
でも、2倍もあり得ますよね。忠誠心の高い顧客を持つ企業は読み切れません。

イオンや西友が感謝デー5%オフをやってそれが事実上の
デファクトスタンダードの割引率ですが、無印は10%です。
そこでまず1つのインパクトがありますよね。
アパレル系だと20%とかやれるでしょうが無印は日用品もあるから
妥当な割引率ではあります。やろうと思えば20%オフも十分可能でしょうが、
そうするとシーズナル商品以外は買い控えがたぶん起きます。
そういう意味では10%割引は消費者にとっての値頃感と、
企業にとっての販促効果が見込めるナッシュ均衡的ポジションですね。

これで割り引き目当てに顧客を囲い込めればこの後の各種販促を通じて
忠誠心の高い顧客を獲得できるわけでトータルで見れば10%割引はやすいもの。
とくに利益率の高い(=値入の大きい)無印さんには
獲得顧客から得られる将来の利益は有望ですよね。
しかも店頭での告知とHPによるアナウンスがほとんどで
それ以外には広告宣伝経費をかけていないハズでローコスト。
広告宣伝分を割り引き減資と考えてもかなり効果的ですよ。
しかもすでに囲い込んだ客が確実に売り上げをonしてくれますし。
アフラックの大量宣伝・代理店による顧客獲得モデルはある意味対局にあると思います。
自分の払った保険料のうちいくらが広告費として消え、
いくらが代理店の懐に入っているのかと思うと、もっと保険料が安くできると思いませんか?
まぁ世の中いろいろなビジネスモデルがあるのでそれはそれで妥当な戦略ではあるんですけど。
等々考えると、無印さんの戦略は見事!パチパチ

学生時代にマーケティングをかじり、新社会人として流通業界で一歩を踏み出したものとしては、
そういうことを考えると買い物は今すぐ欲しい物欲と、
待てばやすくなるという理性との戦いです。
売り場を見れば次の週末チラシで打つ目玉アイテムもある程度わかりますし、
バーゲンのタイミングや見切りの見極めもつきます。
でも欲しいという素直な物欲に素直になってきた最近は、
きっと業界人の垢が落ち始めた証拠かな、と思ったりする今日この頃です。


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