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三越伊勢丹の業績予想からコロナを読む [業界話]

三越伊勢丹ホールディングスが四半期決算と業績見通しを発表しました。
(リリースが分かれているのでリンクは省略させてもらいます)
マスコミによって数字の取り上げ方が違いますが、
超端的に言うと赤字ってことですね。

個人的に注目したのはコロナ関連で特損を約122億円計上したことでしょうか。
それに伴って繰り延べ税金資産も53億円取り崩し。
しかし繰り延べ税金資産って業績への影響がより大きくなりますよね。
逆レバレッジがドーンと効いてくるのが今回の件でもよく分かりました。

とはいえ特損122億円の中味が気になりますが特に分からず。
イオンモールが158億円でしたか、あちらは家賃がメインでしょうけど、
三越伊勢丹の場合は人件費でしょうかね、やっぱり。
旗艦店は自社物件でしょうし、人が資産の会社ですから。

ただ、今後もインバウンドの減少が見込まれることを考えると、
店舗の減損も視野に入るかもしれませんね。
繰り延べ税金資産同様減損も昨今の会計ルールで
逆レバレッジを働かせてしまうものですけど・・・

イオンモールはコロナ禍の影響がまだ小さい地方がメインで
そこそこ売上の回復も見込めますが、
大都市旗艦店に業績を頼る百貨店業界の場合、
地方で支えるということが事実上できないわけで、
そこがネックになりますね。

通期の予想も600億円の赤字予想ですしイオンとは大違いの予想です。
しかし、誰がどう見ても黒字にはならないでしょうから、
赤字予想は至極真っ当で正直であります。
問題は、果たしてこの数字が正しいのかどうかですね。
リリースで第2波の影響によっては下振れリスクがあるとかいていますし。
現時点で売上は1/4ダウンという激減予想が、
さらに減ったらもう大変です。

今年の業績は三越伊勢丹に限らず、
百貨店業界全体が同じトレンドになるでしょう。
合従連衡さえも許されない状態になりかねません。
会社を残すか店舗を残すかという決断に迫られる百貨店も出ちゃいますかね・・・
自社物件の百貨店だとそこまで一気に落ち込みそうで心配です。
業界にとって大きな節目になる年になりそうですが、
なんとか生き延びてほしいものです。
やっぱりハレの買い物スポットって大事ですから!
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CECIL McBEE全店閉店の衝撃~至極真っ当な判断なんですけど~ [企業戦略]

CECIL McBEE(セシルマクビー)を運営するジャパンイマジネーションから
CECIL McBEE店舗・EC事業の終了がアナウンスされ大きなニュースになっています。
同社によるリリースはこちら。(意外とと短いです)

セシルマクビーは知っていてもジャパンイマジネーションという会社とは知らなかったです。
ちょっと勉強不足で申し訳ないですね。
で、このニュースが出てから社長のコメントなどもマスコミに出ています。
簡単に言うと余力のあるうちにブランドを整理、
ブランドの特徴を打ち出せていてEC率の高いブランドを残し、
今の実力にあった規模に会社を適正化するというものですね。
知名度はあるけど利益の出ていないセシルマクビーは、
アパレルアイテムを販売するのは止めてその知名度を活かし、
ブランドライセンスで名前だけは生き残るというものです。

店舗をほぼ1/9にまで圧縮するというのもカネがかかりますから、
追い込まれてしまっては残すものも残せないわけで至極真っ当な判断でしょう。
でも、世間は知名度だけで判断しますから、多くのマスコミが
あのセシルマクビーが消滅?みたいな扱いになってしまい残念ですね。
でも多くの従業員が職を失うわけで流れる血は大きいですが。
一方でライセンス事業として残るわけですし、
ちょっとニュアンスが違うよなーとも思ったり。
まぁセンセーショナルに伝えるのがマスコミですから・・・

でもアパレルとしての存在感は確かに薄くなっていました。
知名度はあるけど利益が出ないというのはどこにでもある話。
粘りが足りないと考えるか、新しいブランドにとっとと注力すればいいじゃないかと考えるか、
どちらが正しいというものではないわけで、
利益面から判断したというのはケチつけられる話しではありません。
ここの会社は次のブランドにかける決断をしたわけで、
新型コロナウイルス感染症というのはある意味背中を押してくれた存在でしたね。
それによる苦しみはとてつもないものなんですが・・・

これからも残念ながらこのようなニュースが続くでしょう。
その本質をきちんと読んでいきたいですね。
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伊藤忠商事がファミリーマートのTOBへ [提携・M&A]

伊藤忠商事によるファミリーマートへのTOBが明らかになりました。
伊藤忠商事によるリリースはこちら
伊藤忠商事がファミリーマートを「ほぼ」完全子会社化するという内容です。

伊藤忠商事による完全子会社化は既定路線ですから特に驚くことはないですよね。
タイミングはこの時期でどうなんだろうとは思いますが・・・
伊藤忠商事もポストコロナの時代に備えるために資金流出には慎重になるかと思いきや、
業績が堅調なコンビニを連結決算に取り込むということなんでしょう。
しかし今年はEC、ネット関係以外は業績が落ち込むところが多いでしょうから、
株価が落ち込んだところでTOBというのもあったと思いますが、
ここでファミリーマートに投資するというのが大人の経営判断かもしれません。
株式市場も当初は動きが荒かったですが現状は比較的安定しています。
そう考えると実は今が買い時で、今年の決算に利益を取り込んだ方が
不確定要因は減るとも言えますので、なかなか渋い決断であることは間違いないでしょう。
いずれ、いい買い物か高値づかみかは歴史が証明してくれますけど。

これでファミリーマートを手に入れ、アパレルのデサントと合わせて
着々と「伊藤忠リテール」が形成されています。
元々繊維に強い伊藤忠商事といわれていますので
アパレルに力を入れるのは分かりますが、
本命のパンパシフィックインターナショナル(いわゆるドンキ)は暫し膠着状態なので、
まずは合意している20%までなんとか株を買い増すので精一杯のハズ。

三井不動産がららぽーと一族を従え、三菱商事がプレミアムアウトレットを持ち、
さて伊藤忠商事もSCに手を伸ばすのかは注目しています。
今回のファミリーマートにも系列の東京センチュリーが噛んでいますしね。
まぁ不動産ではなく設備面だと思いますが、不動産方面へ伸ばしていく手もありかと。
ただ現状ではさほど活躍の場はないと思いますけど・・・

個人的には日本アクセスを活かすとすれば、次はSMではないかと思います。
ファミリーマートにドンキホーテ、さらにSMと揃えば日本アクセスの活躍は大いに期待できます。
そこまで手を広げるのがトータルとしてどうなのか?
そこがこれからの判断基準になるかもしれません。
第三の流通グループを目指すのかは他の商社の動きも関係するでしょう。
みなそれぞれ卸やらコンビニやらSMやら抱えていますし。
横並びが日本企業の特徴ですからねぇ。
果たしてどうなることやら、結論としてはお手並み拝見です。
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イオンモールの四半期決算から新型コロナを読む  [業界話]

イオンモールが2020年第1四半期決算での特損計上を発表、
赤字転落が明らかになりました。また、今年の業績予想を発表しました。
(イオンモールのリリースはこちらになります)
通期の業績予想は減益ながらも単独での黒字を見込み
はたして新型コロナの影響はどうなるか、注目されます。

イオンモールもグループ全体で現在国内165施設の運営ですか、
随分大きくなったものです。
その分休業した負担も大きく今回の四半期決算で約158億円の特損を計上しました。
リリースには特損の具体的な費目が明示されており、
「休業期間中の地代家賃や減価償却費等の固定費、賃料減免によるテナント支援」
とのことですが、今後も休業に追い込まれる事態が発生すれば
このくらいはダメージが発生するということでいい数字が読めました。
また、特損として数字を出したのは投資家にとってもいいことです。
もちろん私のような物好きもいいことなんですけど。

あとテナント支援がどのくらいだったか知りたかったですね。
明示しなかったということはさほど出ないというわけではなく、
競争戦略上のジレンマもあったんでしょう、きっと。
でも、それなりの金額にはなったはずですので、
全くしなかった企業とは違う、ということはハッキリ言いたいと思います。

3~5月の数字なので、超単純計算で1モール1億円程度の損失です。
4月くらいから営業自粛の動きがありましたが、
全施設を休業したのは実質1ヶ月半くらいでしょうか。
ということは月あたり100億円くらいが損失になる訳ですね。
いやー巨額です。でも通期では盛り返す予測を立てたのは、
なんかトヨタが通期予想を発表したのと同じような意識を感じます。
流通業界のリーディングカンパニーとしての矜持とでもいいましょうか。
イオン本体でなくてもイオングループとしての意志を感じます。

あとはこの先再度の休業に追い込まれるようなことがあれば、
モールの減損という話しが出てくるわけで、
そうするとまた状況は変わってきますよね。
イオンモール本体で持っている物件は全部ではないにしても、
モールは単価がデカイですからねぇ。
そのあたりもイオンは気になると思いますが
ますは業績見通しは何点になるか、決算を待ちたいと思います。

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従業員の感染で店を開けるべきか?閉めるべきか?~新型コロナ四方山話1~ [業界話]

新型コロナウイルス感染症の影響はとどまるところを知らないですが、
今回は店舗を開けるべきか?閉めるべきか?をテーマにしました。
まずは直近のメジャー施設の例を。

2020年7月2日(木)に渋谷パルコにて(テナント)従業員の
新型コロナウイルス感染が発表されました。
これを受け同店は15:00にて閉店、店内消毒作業を行い
翌7月3日(金)には営業再開したようです。
「ようです」というのも、今回の渋谷パルコに関しては
PARCOの企業Webサイトには特に情報がなく、
渋谷パルコの店舗サイトに情報があるのみ。
それも7月3日に営業予定とあるだけなんでして・・・
これだけニュースになったんですから「お店やってますよ」って
ちゃんとお知らせして欲しいですよね。SNSでいいんで。
むしろ正式なリリース無くても良いですから・・・
まぁそのくらいニュースバリューは下がっているんでしょうけど。
まさかそっと開けたいということはないと思うので、
そこまで気が回らなかったんでしょう、と前向きに?捉えておきます。

と、こんな感じなんですが、既に従業員が感染したというのは
店舗の存続を左右する要因ではなくなりましたね。
初期の頃は、従業員の感染が発覚したら
店舗を休業してしてくまなく消毒して、
他の従業員の体調も確認して、感染症対策を講じて
数日かけてようやく営業再開という流れでした。

渋谷パルコは実質数時間の休業で営業再開にこぎ着けましたが、
おそらく今後は休業自体なくなるかもしれませんね。
これもいわゆるニューノーマルでしょう。
そうなると、初期の頃みたいな防疫対策はなんだったのかとなります。
一度やった企業はそれを続けざるを得ないのか?
あるいは企業による対応の違いが長期的な集約力に影響するのか?
実は分かれ目にいるんじゃないかと思います。

経済的というか経営体力的には軽微な対策で済めばいいわけで、
消毒作業自体も実際どんなことをしているのかという情報はかなり減っています。
そんなニューノーマルに流されるかどうか、
経営者は消費者にみられていると私は思います。

まだ新型コロナウイルス感染症には分からないことも多く、
限られた資材の中でどんな消毒をし、どんな対策を行うのか、
いずれ検証されるときが来るでしょう。
そう考えると、”落としどころ”ってホント難しいと思います。
流通各社の”叡智”を信じて買い物に行きたいと思います。
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レジ袋有料化~エコか経費削減か~ [業界話]

2020年7月1日より、いわゆるレジ袋有料化が義務化されました。
これをきっかけにビニール製レジ袋以外にも紙袋など
一切合切有料化するのが大きなトレンドですね。

レジ袋はいわば象徴として有料化されたわけで、
これから社会全体で脱ビニール(脱ポリ)が進んでいくんでしょう。
3円、5円がほとんどだと思いますが、
これが与えるインパクトは意外と大きいのかどうなのか、
今年度の各社の決算で明らかになると思います。
コンビニで期限切れ間近の弁当を5%ポイント還元しただけで
それなりの廃棄減少がみられたとも言いますから、
コンビニ4~5万店を筆頭に流通各社全体でみるとそれなりの
ボリュームにはなると思いますが、各社の経営面でみるとどうなるか、
さっぱり予想がつきません。

というか、今年は新型コロナの影響が大きいので、
影響を計るタイミングとしては最悪ですが、
経費削減という側面でみると有料化による経営面への影響はどうなんでしょう。
まぁ微々たるものではあると思いますが、
本来だったらもっと大々的にショッピングバックプレゼントキャンペーン!
を各社打ってたんじゃないかなと個人的に思います。
でもそんな小さなことからコツコツとが効いてくるのが流通業界でもあるので、
各社の経費面での利益貢献を知りたいなーと思っています。

あと確実なのが買い物袋バブルが崩壊したあとですよね。
無残に投げ売りされないことを祈りたいです・・・
買い物袋の生産も計画的にお願いしますよ!

しかし、5%還元の終了とレジ袋有料化、そして新型コロナ。
アパレルをはじめ影響はドンドン広がるでしょう。
これからはしっかりその様子をチェックしていきたいと思います。


ということでパスワードが分からなくなったから始まり
いつの間にかブログの会社変わってたりして
いろいろあって休眠していましたがリブートします。
また宜しくお願いしますm(_ _)m
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