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ながの東急百貨店 [百貨店・GMS]

長野シリーズでもう一個所、大事なところを忘れていました。
長野駅前のながの東急百貨店です。
臨店から2週間空いてしまいましたが悪しからず。
臨店は2014年3月18日(火)13:00頃です。
臨店時は雨が降っていましたがそれなりの来店客でした。
全般的に高齢者でしたけど。

行ってみて最初に思ったのが、別館があるんだということ。
そして本館も形が変だなぁと。長方形に三角形をくっつけたような形。
あとで調べてみたら増床しているので、三角形はおそらく増床分でしょうかね。
店舗の中央に非常階段スペースがあり、見通しは非常に悪いです。
天井も低いです。店齢の高さがヒシヒシと伝わってきます。
が、それが地方百貨店らしくもあり、こんなもんかなと。
1966年開店ですからおよそ50年。
文化財モノですがそこまでの古さは感じませんでした。
改装もしているから当然といえば当然でしょうけど。
まぁ百貨店は商品とサービスがキモですからね、
多少そういったハード的なところは目をつむりましょう。

さて、財務情報を見るとどうも売上は200億円程度のよう。
地方の百貨店としてはかなり優秀な部類に入るのではないでしょうか。
政令指定都市でもない長野でこの売上は大健闘です。
百貨店ライバルが存在しないので根こそぎマーケットをさらっている感じですね。
1フロアはそんなに広くないのでテーマ設定がしやすいのが良いのかも。
全体的に(特に本館は)利用者は年齢が高い世代が多そうですし、
あまり広いのも買い回りは逆に面倒に感じるかも知れませんし。

さて、売り場を見てみますと、駅ビルの改築工事中のため
土産物がないかと思い地下にまず行きました。
駅側にばずばっと土産物がそろっていて基本は出来ていますね。
ただ、品揃えという面ではかなりイマイチ。
駅ビル工事中に勝負を書けてもいいと思うんですが、
そういうつもりはないのかなと感じました。
むしろ、並に左右されない堅実な商売にってしているかも・・・

上階に目を向けますと、1階にあるブランドらしいモノはコーチのみ。
化粧品はシャネル、クリスチャンディオール、シュウウエムラなどアッパーなブランドもあり、
そちらがメインのようですね。確かに使用頻度の高い化粧品をしっかり揃え、
ブランドモノはさっぱり諦めるというのも地方百貨店には大事なことかも知れません。
平場でいくらか展開できれば御の字、むしろ売り場の有効活用も出来ますし。
これは全館的に言えることですね。
最寄り品、贈答品に特化した百貨店と言えるでしょう。
アパレルもそんな高価格帯はないですけど、微妙にツボを押さえています。
アンタイトル、23区、組曲、セオリーなどありますし、
手頃なところを揃えることでしっかり集客しているんでしょう。

別館ちょっと各フロア空きスペースが目立ちますね。
上階にはミニプラやトミーヒルフィガー、jinsなどそれなりにはそろっていますが、
全体的にパンチ不足。4階に宝石、時計、美術品など
アッパーな百貨店らしいものはあるんですけど、
3階以下とのギャップが大きすぎてちょっとです。

本館別館は3,5Fの連絡通路でつながっていますが、
何故か別館はエスカレーターが4階まで。
5階はイベントスペースでエスカレーターがいらないということなんでしょうか。
連絡通路があるから本館のを使えということなのか、
ちょっと不親切なのが残念でした。

連絡通路はマネキンを置いたりして頑張って一体感を出そうとしていましたね。
ただ、5階はイベントスペースに接しているのですが、
イベントのアイテムが通路まで浸食気味で通路としての機能がイマイチ。
もう少しそういった気配りはもってもらいたいと思いました。

WEBサイトを見るとショッピングアテンダントを置いているようですし、
Facebookも公式アカウントがある他、配送状況を確認するサービスもあるなど、
地方百貨店にしては随分頑張っているのがよく分かります。
長野新幹線が開通して首都圏との棲み分けをより徹底するとうになり、
それがむしろ好循環を読んでいるようです。
あとは別館の使い方でしょうね。
いっそのこともっと若者向けに振り切った方がいいと思いますよ。
今のままでは中途半端ですから、4階の売り場を本館に移して、
別館にはシェルシェというネームも付けてるんですからそれを生かすべきかと。
いずれにしろ頑張っているのがよく分かる百貨店です。
今後の健闘に期待です。

そごう大宮店 [百貨店・GMS]

またまた間が空きましたがネタを仕入れてきたので連発します。
最初はそごう大宮店についてです。久しぶりの百貨店ネタになります。
臨店は平成26年3月18日(火)15:00頃です。
平日ですが天気もよくひとではまずまず、客の入りもそれなりでした。

大宮駅前で駅とはペデストリアンデッキで直結と、基本は押さえた立地です。
売り場が約4万平米らしいですが、ジャストサイズと言えるでしょう。
旗艦店だったら二回りくらい小さいですがね、大宮のポジションを考えると妥当ですね。
長方形の綺麗な箱形で中央にエスカレーターを置いたオーソドックスな作り。
古い店舗が増床を重ね訳の分からない売り場になったり、
新しいSC型の百貨店が意図的に形を崩したりするのとくらべると個性はありません。
が、百貨店はそういう見てくれではなくて商品とサービスで勝負するところですから、
こういった店舗をどう運営するかという基本が競争力を計る上で大事だと思います。
まぁ唯一の特徴といえば、最上階に乗っかっている回転レストラン(跡)でしょうかね。
すでに回っていないしレストランとしても機能していないので。
アレを初めて見たのは今は亡きららぽーとのそごうでしたが、
幼いながらに感心したものです。

で、実際行ってみて思ったのは、やはり基本がきちんと出来た店舗ですね。
エスカレーター正面には各フロアとも春物がディスプレーされていました。
学校の制服があったりするのも季節感があって良いですね。
百貨店で制服を作る、地方からのお上りさんとしてはうらやましいような・・・
別記事に書きますがながの東急とは大違いでした。

あと、開店は82年のようですがその頃に作られた店舗だと、
現状でもリフォームすれば十分通用する規格だというのがよく分かります。
建物の外観はある程度年代を感じますが
(これも展望レストランで出自が分かってしまうという意味で)
中はエスカレーターに古さを感じるだけで内装は違和感ないですしね。
箱形なので中も改装がある程度自由に出来ると言う意味でも、
奇ををてらわないのは長寿のコツかなと思ったりもしました。

品揃えはもうザ・百貨店です。
海外のラグジュアリーブラントはコーチ、フェラガモ、マックスマーラと
かなり「厳選」されていますが、ある意味手が届くブランドが揃っていると言えるでしょう。
ティファニー、フランク・ミュラーはちょっと手がないですが宝飾品ということで。
化粧品は安定のラインナップ、プレタポルテも揃えていますが、
美術品、家具の類はないので完璧なフルラインではありません。
むしろロフトが入っているのはセブン&アイ系列なんだなぁということを
実感させるものではありました。あとは特にセブン系列を意識はしませんでしたけど。

あとOSSという専門店街を1~3階に配しています。
ファストフードやちょっと価格帯が下なイメージでしょうか。
でもリーガルシューズなんかはそごうで扱ってもいいと思うんですが、
まぁ企業戦略はいろいろということで。
百貨店ブランドの維持を考えた昔の名残かと思います。
だって上階にはロフト、無印、山野楽器といった面々もあるんですから、
いまだったら統合してもいいと思いますよ。
別館にビックカメラもあるんですから。

とまぁ書いてきましたが、古さを感じさせない百貨店でした。
通路幅も余裕を持たせていますし、クリンリネスも徹底されています。
価格表示はまだ5%で統一しているんでしょうか、
チェーン店で見られるような5%と8%が混在しています、
と言うようなこともなく、動じてないなぁと感じました。
いざとなったら臨時休業とか営業時間の短縮とかいくらでも手を打てるですし、
業態柄、来店してしまえば税率がさほど影響しないという側面もあるんでしょうかねぇ。
平日昼間にも関わる各階ともお客さんがある程度入っていますし、
やはり百貨店は都会の業態です。
オーソドックスですがそれが百貨店かな、と思わされた店舗でした。

JR大阪三越伊勢丹~流浪する百貨店~ [百貨店・GMS]

続きましてJR大阪三越伊勢丹の訪問記です。
臨店は2014年1月8日(水)19:30頃です。

何かと噂のこの店舗。
もともとは三越が出店する予定だったところ、
三越と伊勢丹の経営統合のあおりで三越伊勢丹というブランドで出店しました。
京都駅ビルでの伊勢丹の成功再び、という目論見でしたが、
これがまぁ見るも無残な業績となっています。
目標年商550億円でスタートしたものの初年度約310億円、
2年目は初年度より1か月営業期間が長いにもかかわらず前年割れの約303億円。
今年はグランフロント大阪も開業しましたし、
その他競合もありますから300億円切っちゃう可能性が高いのではと思います。

実際臨店して思ったのはお客さんがスッカスカの店内です。
一番人がはいいていたのは10階の催事場でやってた食品ギフトの解体販売、次にメンズフロア。
2階の化粧品売り場や低層階のレディースフロアは客がいないいない。
店員が立ち話する姿が目立ちました。
ゆえに接客はマンツーマンで、すぐ店員が寄ってくるので
若い人はますます足が遠のいてしまうのではないでしょうか。
エスカレーター周りは休憩スペースとして椅子が置いてありますが、
ないところはバーゲンの値下げ品が並べられ、まるでGMSのよう。
ちょっと悪循環にどっぷり浸かってしまってますね。

設備面でいうとやっぱり百貨店なんです。
ルクアのようにエレベーターの壁にはモニターが設置してありますが、
ルクアはモニターがむき出しのままで設置スペースの空きスペースもむき出しですが
こちらはモニターのみが見えるように化粧板で余計なスペースは埋めてあります。
ライティングもうまいですし売り場の雰囲気も悪くありません。
雑誌では2階から4階への吹き抜けも無駄なスペースで使い勝手がわるいとか
いろいろ書かれているものの、シンボルとしては悪くありません。
売り場全体としては形のいい四角形ですし、
むしろ吹き抜けを活かした売り場を作ろうとしていないだけではないでしょうか?
だって、京都伊勢丹だって、大階段の裏側ということもあって、
大きな弧を描くような売り場ですが売上絶好調ではないですか。
あの売り場をうまく使っているのに吹き抜けが邪魔だというのはどうかと思いますね。

ただ、やはり問題はハードでなくソフトだと思います。
たとえばエスカレーターのモニターで流れる情報は
バーゲンの告知(これもひどい映像でしたが)、
ハウスカードの案内、催事の予告、とかですね。
新商品なり、せめて新年のあいさつなり、もっとうまく使ってほしいものです。
あと、エスカレーターのところにスタンドPOPやマネキンをおかれると、
一気に百貨店の感じがなくなりませんかねぇ。GMSみたい。

しかしメンズフロアにお客がいたのは事実。
いっそのこと若い人はルクアに任せてメンズ館にでもしたほうがいいんじゃないですかね。
そうなるとルクアと三越伊勢丹の売り場をそっくり入れ替えたほうがよくなっちゃいますけど。
フロアのいくつかをルクアにするならわかりますが、
フロアの半分をルクア、みたいな改装はやめてほしいですね。
ますますダメになると思いますよ。
やはり伊勢丹は新宿だけで地方店は三越に任せたほうがよかったと私は思います。
新宿以外でで成功している伊勢丹って京都だけだと思うのですが・・・
まぁ次の一手は必ず打たれるのでその成否を見守りましょう。

ヨークベニマル・ミニ研究2013夏その3~未だ迷走するPOP~ [百貨店・GMS]

その3で完結をしますこのシリーズ。
最後は最近くどくど言ってるヨークベニマルのPOPについて一言。
この数年突き出しが汚いとか、数が多いとか、繰り返し言ってきました。
が、今回はさらなる迷走を感じましたのでまたテーマにした次第。

さて、今回はPOPテーマについてです。
「広告の品」とか「お買い得品」とか、POPにかいてあるアレのことです。
何が問題かと言いますと、種類が多すぎる!
そして同じ扱いの商品に何故2種類のテーマが付いているのか?
私の中で謎が謎を呼び,迷走感がぬぐえないのです。

私が確認したのは
・SPECIALPRICE
・レジにてお得
・期間限定のお買い得品!
・広告の品
・本日のお買得(円の中に得の文字)
・生活費必需品をお求め安く家計応援
・セブンプレミアム
・お盆
こんなにたくさんテーマ要りますか??

さらにこんがらがるのが、「レジにてお得」と「期間限定のお買い得品!」が
表裏になっているPOPがあるんですね。表裏で表示が違うってどういうこと?
また、使い方を見ていると、「広告の品」と「本日のお買得」は
どうも広告商品に使っているようでした。
なぜ分けるのか不明ですが、どうもハンガーPOPが「本日のお買得」のようでしたね。
サイズで違うのに意味があるんですかねぇ。経費もかかりますし。
広告商品じゃないの?とお客さんも一瞬戸惑うんじゃないかと思いますよ。

集中と選択で絞りすぎるとみな同じ感じになるし、
かといってあんなに数を増やすのもどうかと思います。
だいたい、そのPOPテーマで何を表したいのか不明ですよね。
自分たちが分かるだけでない、お客様に伝わるのかどうか、
POPについてもう一度見直して欲しいです。
得てして関係者しか分からない違いを押しつけようとしますからね、業界人は。

イオン藤崎店~ローカル店舗の地力~ [百貨店・GMS]

さて今回はイオン藤崎店(青森県)を取り上げます。
臨店は2013年4月20日(土)午後4時頃です。
青森県のイオンとしては古株ですが(まぁみな古株ですけどね)、
わずか人口約15000人の街に出店しています。
弘前市に隣接していますがGMSとしての足下商圏は必ずしも厚くないです。
1,2階が売り場、3階と屋上が駐車場の”古典的GMS"と言えるでしょう。

随分久しぶり(おそらく20年ぶりくらい)に訪れましたが、
売り場を見て感じたのが三重県の大安店に似てるなぁ、ということ。
大安は元々平屋のGMSだったのを屋上駐車場を売り場に転換するという
かなりの力業を使って2フロアの店舗にしています。
元々平屋だったのでかなりの縦長の長方形なんですね。
さらに言えばおなじみ新宿高島屋のよう、といえばより分かってもらえましょうか。
藤崎は元々現在の作りですが、敷地の問題かかなり縦長。
まぁ昔は食品、衣料、住余って分けるのに分けやすかったんでしょうけど。

ただ、規模の割には食品のスペースが大きかったです。
600坪はあるのではないでしょうか?
主通路には冷蔵平台もいくつかあり、アイランド陳列もされてましたし。
ライバルと言える競合店は地元になく、隣の板柳町に伊徳があるくらいでしょうか。
地元のミニスーパーはあるようですがライバルとは言えませんから、
ある意味食品でがっちり足下を固めている感じですね。

またHCなんかもありませんから住余も頑張っている様子。
正面入り口は農作業用具を催事として展開していました。
長靴、作業着、帽子などですね。
田園地帯ですから遠慮無くそういった商材を展開するのは良いことです。
GMSの常識からすれば長靴が一等地にあるのは許せないかも知れませんが、
地域に求められるものを提供するのが大事。
そういった面でもがっちり足下商圏をつかんでいるのかと思います。
その他にも書店や靴(グリーンボックスですけど)、HBC、寝具などもキチンと品揃え。
100均や遊戯施設、ロッテリア、グルメドールなど小さいながらもフルラインです。
地元のデイリーユースにワンストップで確実に応えている店舗だと思いました。

ちょっと足を伸ばすとつがる市にイオンモール津軽柏、
五所川原市にイトーヨーカドーを核とするエルム、
弘前市にはさくら野百貨店と大型SCがありますので、
平日のデイリーユースを確実にかつ根こそぎさらっている店舗だと感じました。
まぁそうでなければこの規模の町にGMSは存続し得ませんからね。
ライバルとなる専門店も地元にないのはこの店が強い証かも知れません。
昔からよくなくならないよなぁ~と思っていましたが、やはり見てみると納得。
ニューGMSなんてよく言いますが、あれはこじゃれすぎてちょっと敷居が高い感じ。
こんな感じの店舗のほうが地方にはフィットしますね。
ローカルGMSもやりようによってはまだまだいけるんじゃないか、
そういう希望を持てる店舗でした。

中三・取りあえずの営業再開~売り場はどの程度維持できるのか [百貨店・GMS]

青森の百貨店・中三が、2011年4月4日付けでリリースを発表、
4月8日(金)から営業再開することを発表しました。(リリースはこちら)

お詫びと開店のお知らせとして、青森店、弘前店の営業再開を
アナウンスしています。品揃えは限られると明言していますが、
果たしてどの程度の売り場になっているのか注目です。
食品もスカスカ、アパレルもかなり引き上げられているとは思いますが。
また、商品券は使えないと言っていますが、
おそらく利用者から従業員が詰め寄られる光景が見られるでしょう。
食品をメインに再開を考えているという記者会見でしたが、
食品以外はメーカーがかなり商品を引き上げているでしょうし、
応援する食品メーカーがいくらかは入れてくれると思いますが、
正直かなりキビシイところでしょう。ただせさえ物流がまだ正常化していませんし。
物流が正常化していないから引き上げられるのが少ない、
という可能性もなきにしもあらずですが、
閉店して1週間以上経ってますしね、正直キビシイ売り場となるでしょう。

震災の営業でもないのにスカスカの売り場、
経営陣の失敗による消費者の抗議を一身に受け、
お詫びを繰り返すしかない従業員・・・
ホント従業員がかわいそうでなりません。

今後の中三は予断を許さないと思います。
実質的な在庫処分・換金・閉店セールになってしまうのか・・・
3/30の社長の記者会見ではスポンサー候補が5社になった
という話もありましたがその後どうなっているのか分かりません。
震災の影響もあるでしょうし、今後の展開がまだまだ目が離せません。
キビシイことを書いてしまいますがあくまで筆者の個人的予想です。
従業員の為にも外れてくれることを祈りたいです。



2011.4.12追記
東日本大震災の余震の影響をうけて営業再開が4月9日(土)に延期になりました。
営業再開したものの食品フロアがメインとの報道です。
やはり、というかそれがどのくらい続いて、
それが上階にどういう影響を与えるか、フォローしていく必要があるでしょう。
また一応WEBサイトも復活していますが、商品券の返金手続きや民事再生のお詫びなど、
事後処理の告知のみとなっています。

中三・民事再生手続きへ~地方都市に百貨店は存在できない? [百貨店・GMS]

青森の老舗百貨店、中三が120億円あまりの負債を抱え、
民事再生法の適用手続きを申請しました。
事故による休業中の盛岡店に加え、青森店、弘前店も臨時休業、
WEBサイトは閉鎖されてしまいました。
青森市と弘前市、盛岡市に3店舗を抱える地方百貨店ですが、
発祥の地五所川原からの撤退、郊外型SCへ挑戦した秋田からの撤退と
最近マイナスのニュースが続いていましたがついに本体が倒れてしまった次第。
また地方百貨店の閉店につながりそうです。

直接の引き金は今回の東日本大震災。
地震による混乱で売り上げが激減し、
さらに盛岡店で爆発事故があり同店が休業に追い込まれたのがトドメとなりました。
地震後の混乱であったとはいえ、百貨店で爆発事故が発生し
従業員に死者が出てしまったというのはあってはならない事態。
現場の管理がかなりずさんになってしまうほど
企業としての体力が落ちていたんではないでしょうか。
盛岡店の事故がトドメというよりは、それを表向きの口実にして
経営不振による行き詰まりを隠したかったプライドの高さが、
こういった事態を招いた本当の理由に思えてなりません。

中三は以前、ジャスコ(現イオン)と提携していました。
北東北に展開するイオンモールに核店舗として出店し、
2核1モール(現在となってはもはや死語ですが、以前は本気でイオンは目指していました)の
一角を担い新しい郊外型百貨店として飛躍すると言うもくろみでした。
その手始めとして秋田に出店し、そこで経験を積んで下田に出店することが決まっていました。
しかし、いざ秋田に出店してみれば赤字続きで全くうまくいかず、
下田への出店もいつの間にか白紙化されてしまい、
結局1度も黒字転換しないまま秋田から撤退、ジャスコとの提携も解消しました。
(ちなみに在りし日の?中三・秋田店については2008-04-13にこのブログで取り上げています

おそらく、秋田から撤退するときからこうなることはわかっていたと思います。
報道によると、4月いっぱいで従業員もいったん全員解雇するとのこと。
スポンサー候補が3社あると言うことですが、百貨店業態で継続できるでしょうか?
県庁所在地とはいえ人口30万を切ってしまい郊外型SCが取り囲む青森市と、
人口10万足らずの弘前市、古い居抜き店舗でそこそこ稼いでいるものの
大きな飛躍は望めない盛岡市での事業展開が可能とは思えません。
少なくとも百貨店業態やGMSと言うことはないでしょう。
店舗跡地を再開発ねらいのデベロッパーか?スポンサーが気になります。

本当であれば、見栄を張らずに秋田から撤退するタイミングで
民事再生なり、会社更生法なり、身売りなりをしておけば、
ここまで追い込まれることは無かったのではないでしょうか。
ここ数年で五所川原も閉めていますし、2店舗閉店でかなり資本を消耗したはず。
法的整理でそれを軽減し、さらに弘前を閉店し盛岡を事業譲渡しておけば、
青森本店くらいは残せたかもしれません。
ゴーイングコンサーンの原則を考えれば、経営陣は身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあったはず。
だって、のれんが変わったとしても、お店と従業員が暮らしていければいいじゃないですか。
とはいっても、そう簡単にハイそうですか、といえないから倒産する企業が出る訳ですけど。

またしても地方百貨店が閉店ということになりそうです。
地方において郊外型SCに最寄り品客をとられ、
仙台や名古屋、広島、福岡といった地方の中核都市に「ハレ」の買い物客をとられ、
さらにネットショッピングや通販など競合は増える一方。
以前の栄光と老舗のプライド、そして老朽化・狭小化の進む店舗と高齢化する従業員、
まさに八方ふさがりの地方百貨店が多いと思います。
最近東京下町のダイシン百貨店が高齢者への特化と
売ってないものはない品揃えで売り上げを伸ばし注目を浴びています。
あれも都会だから可能とはいえ、そういった明確なビジョンを打ち出したからこそ
生き残っているともいえるでしょう。全国チェーンの台頭にたいして、
地方百貨店はどう生き残っていくべきか、これからが正念場になるでしょう。
このまま行けば、政令指定都市以外から百貨店が消える、そんな日が来てしまいそうです。

以前商圏人口50万でなら何とか百貨店が成り立つのではないかと書いたことがあります。
そういう面では青森市、弘前市は厳しいですね。両市が一体化すれば50万になりますが、
そこまでの一体感はないですし。ならば地方百貨店はどういった戦略をとるべきか。
私にもわかりません(オイオイ・・・)。
ただ、今までの商売ではもう時代についていけないのは間違いありません。
もう一度コアコンピタンスを見つめ直し、競合他社を研究し尽くし、
マーケットを再度読み直して戦略を立てる。
そして、ゴーイングコンサーンの原則が守れないのならば、
従業員と店舗のために、事業譲渡といった抜本的対策をとることも選択しに入れるべきでしょう。
中三は経営不振の中でも赤字店を閉店するという勇気を見せました。
それを本来はもっと早く全社では黒字のうちにやっておくべきだったんです。
それを先延ばしにした結果が今回の民事再生手続きとなってしまった。
どの道を歩むのか、決断は難しいですね。でも、それがマネジメントです!

イオン御所野店~売上が全てを表す? [百貨店・GMS]

このところ続いております新生イオンの店舗巡り。
今回はイオン御所野店です。
臨店は2011年3月3日(木)午後4時頃でした。

さて、こちらの店舗はイオンモール秋田の核店舗です。
イオンモール秋田はイオンモールの2号店と歴史ある店舗。
秋田では「イオンに行こうか」「イオンにいるよ」のように、
イオン=イオンモール秋田を指します。
イオンリテールとしては「イオン」=イオンモールの運営する店舗
としたいところですが、現実としてはイオン=イオンモールとなっています。
これは全国的に言えることではないかと思います。
そういう意味では、イオンに店舗ブランドを統一したのは知名度としては
良いかもしれませんが、現場(という消費者)にとっては混乱のもとですね。
むしろ今回の店舗ブランド統一で一番知名度が上がるのは
イオンモールかも知れません。みな「モール」を省略していますから。

さて、話がそれましたが、こちらは秋田市内最大のSCのキーテナントだけあって、
ジャスコの看板が覆われてイオンへの変更工事がされていました。
まだ足場が残っていましたがもう来週には新しいイオンの看板になりそうです。
やはり売れている店舗から工事をするってことですかね。
売れている店に投資するのは基本ですから
こういうところに店舗の”社内序列”が感じられます。
ということは、次に工事にはいるのは秋田中央店、
そして最後が土崎港店になるという予想が立ちます。
果たして実際はどうなりますか??

店内については全くもって一緒。
残念ながらこれまでとの違いを捜すことができませんでした。
レシートの店名が変わったくらい?
これからは旧ジャスコ店内のイメージ転換戦略が必要かも知れませんね。
旧サティは制服も替わって看板も変わって違いが感じられますが、
旧ジャスコはBGMが変わるくらいでしょう。
まぁそのくらい自然にすでに変わっていた、
そう言えなくもないですけど。

店内で敢えて気になるといえば、イメージキャラクター。
店舗入り口や天釣りの販促物に武井咲がどどーーんと出ています。
かなりのプッシュぶりですから、武井咲はイオンに
頭が上がらないんじゃないかと思ってしまいました。
フレッシュ感を求めたイメージ戦略にはぴったりですね。
セブン&アイが渡り廊下走り隊に舵を切ったのは切りすぎだと思いますけど。
なぜブーム(=いずれ人気が落ち込みそうな)アイドルにしたのか、??です。
すごい旬を追求しているのかも知れませんが、一方で関根店長ですから。
最近のイメージ戦略はアイドル好きな若者とお茶の間に訴える
泥臭いセブン&アイホールディングス、
人気女優や子役を起用して派手なメディア戦略をとるイオンと、好対照です。

秋田市内を無理矢理まとめますと、
春にはキレイに新生イオンになっているかな、
今は冬でおとなしくしましょうという感じでした。
いずれ、3店舗がどう棲み分けるか、
商品ラインナップがどう変わっていくのか、
今後はは商品力の変化を見ていきたいと思います。

秋田サティからイオン秋田中央店へ~変わる店内・変わらぬ店外 [百貨店・GMS]

今日はイオンリテールとマイカルが合併し新生イオンリテールの誕生した日。
昨日はジャスコ最後の日を迎えた土崎港店を見てきましたが、
今日は新生秋田中央店を見てきました。
臨店は2011年3月1日(火)午後9時頃です。

タイトルがすべてを表しているのですが、
店内はサティからイオンへと転換が行われていました。
従業員の制服も旧イオンリテール(つまりジャスコですね)の
制服着用となったようで従業員の様子は様変わりです。
あと最初気づかなかったのですが、
買い物カゴが新しくなってイオンのカゴになってました。
最近の新店で見られる濃いウッド調といいましょうか、
そんな色のカゴですね。こちらもイオンリテールにあわせています。
POPは徐々にサティ色が消されていますね。
統一販促物に変わっているのであまり違いに気づきませんでした。
また昨日の土崎港店でも書きましたが、
基本的に衣料ではもうタグは統一されてますしそちらはなおさらです。
あとは自動ドアに張ってあったサティの表示は
上からイオンのシールを貼って直してありました。
と言うように、店内は目につくところはイオンに転換完了と言ったところです。
細かく見ると、プライスカードなんかは統一されていませんけどね。
これは発注システムとも関わってきますので、しばらく時間がかかるでしょう。

時間がかかるといえば、今日の火曜市のチラシも、
旧ジャスコと旧サティでまだ別々に作成しているようです。
デザインが旧来のままでしたから。
ブランドは統一されたものの、商品部はまだ統一されていないんでしょう。
だいたい販促プランなんて、1,2ヶ月先を動いています。
商品部の統合はこれからの課題なんでしょう、きっと。
チラシを見る限りではそう思います。
もし3月1日付けで商品部や販促部門も統一されていたとしても、
新生商品部のプロモーションが始まるのは
5月の連休に間に合うか、と言うところでしょうね。
チラシの統一がいつになるかが一つの目安になりそうです。

そして、変わらないところ。それは店舗の外側です。
店舗に載ってる大きな看板は相変わらずサティのままのネオン。
駐車場の標識も、屋上駐車場からの店舗入り口も
「サティ店内入り口」のままでした。
コルトンで高いから後回しなんですかね。
シール貼るのも中に照明が入っているので熱が気になるので出来なかった?
まぁ残念ながら一夜にして看板が掛け替えられる、
ということはありませんでした。(当然と言えば当然ですが)
看板の切り替えがどういうスケジュールで行われるのか気になります。
店舗の外っていやでも目に入りますからね。
中が変わっても外が変わらなければ、まだまだ消費者には
「サティに買い物行くか」といわれてしまいますよ。
と言う私も、サティになってもニチイに行くと言っていたクチですけどね。
全国的にはすでに掛け替えが行われているところもあるようですしね、
まさか秋田市内は閉鎖対象店舗??そんなことはないと思うんですけど・・・
季節的要因か、近く改装予定があるとか、そんなところであると信じたいです。

昔は表紙を買えても中身を入れ替えなければだめだ、
と言った政治家がいましたが、こちらは逆で中身は入れ替わったが
見た目が変わらないからイメージが変わらないということになってます。
まだまだ「イオン色」に染まるには時間が必要なようです。

さらばジャスコ!~とある店舗の最終日~(ver.1.0.1) [百貨店・GMS]

今日は2011年2月28日、いよいよジャスコさんとサティさんの最終日です。
秋田市はジャスコ2店舗、サティ1店舗でしたが、
サティだけが店名を秋田店から秋田中央店に変更になりました。
比較的わかりやすい変更でよかったですが、
新潟は4店舗が新潟店、新潟東店、新潟南店、新潟西店と
まるで高校の名称のようになってます。
国内400店ですから、流通企業としてはかなり膨大な訳で、
店舗名称が東西南北のようになるのは仕方ないですね。
(初出で店舗数を600としていました。申し訳ありません。)

で、今日は土崎港店に行ってきました。
目的はただ一つ、店舗サインの変更はどうなるかと、
売り切りの仕方を見てみたいと思った次第。
臨店は2011年2月28日(月)午後8時頃です。

で、時間が時間だったせいか、もう魚の塩干ものは見事売り切っていました。
下段2段分だけなんですけど。上段2段はそれなりに入っているんですけどね。
刺身もほぼ売り切り、丸と切り身はまだ売り切り一歩手前でそこそこ残ってました。
肉の方は、インストアパックの商品はほぼ売り切ってありましたが、
センター加工のパックアイテムは残っていました。
総菜はいつも通りの売り切りですね。

予想としては、インストア加工のパックは「ジャスコ土崎港店」と入ってますから、
明日のイオン誕生には残したくない訳で売り切っていると読んでいたのでほぼあたりかと。
年末の売りきりで前年の日付の商品を残さないのと同じですね。
衣料や住余の商品はみなタグがイオンリテールやトップバリュ、
イオン株式会社、とタグになってますからジャスコはもう無くなっていました。

ですが、ジャスコのシールを発見。
ハンドラベラーで値付けされたものはシールの中央に「jusco」と
明示されたものを発見しました。
ハンドラベラーで値付けすること自体めっきり減ってますからね、
なかなかその辺には気付かないかと思われます。
むしろ、そいつらが無くなるのはなかなか時間がかかりそうです。

しかしそれ以上に外の店舗サインが全く変わる気配がないのはなぜでしょう。
秋田は雪国だから天候を考えて後回しにしているんですかね?
でも外の看板こそ真っ先に変えるべきだと思うんですけどね。
なぜ事前に変えなかったのか不思議です。
もしかして、この一晩の数時間で一気に看板を掛け替えるのか?
秀吉の墨俣一夜状を再現したらびっくりです。
明日はサティから転換したイオン秋田中央店で、
看板と従業員の制服、POPがどう変わっているか見てきたいと思います。
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