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イオンの首都圏SM連合誕生 [提携・M&A]

3月に怒濤の更新をしたあとまた間が空いてしまいました。悪い癖です。
さて、イオンが首都圏に展開するグループSM企業の統合を発表しました。
4社のリリースは同じですので、とりあえずイオンのリリースはこちら
イオンがSMでも緩やかな連携を終える記念日、といえるでしょうか。

今回の目玉はイオンが少数出資にとどまっていた各社を統合して、
一気に実質的な連結子会社化すること。
そして将来的には首都圏で1兆円企業を目指すと。
なかなか野心的な目標でもあり、また実現できそうな数字でもあります。
これが実現したら、日本初の1兆円SMと言うことになりますか。
でもアークスもM&Aを活発化していますし、
SM連合で言えばアクシアルがまだ規模は小さいですが経営統合を繰り返しています。
どこが1兆円に一番乗りするか気になるところです。

しかし、丸紅とSPCを設立してそこが新持株会社の過半数の株式を握り、
その下にSM3社をぶら下げる間接的な方法を取るのもしっくりこないものがあります。
持株会社の過半数をイオンが出資し、丸紅がマイナー出資でそこに絡む、
と言うならば分かりやすいですが、どうも奥歯にものが挟まった感じ。
しかも詳細はこれから詰めるというのも気になります。
本来であれば、もう少し数字が伴った発表があるのが普通だと思いますしね。
いなげやなどが絡んでくるのか、はたまた新たなメンツも入れようとしているのか・・・
続きがあるというなら出資比率など数字が決まっていないのも納得できるんですけどね。
キミサワはMV東海に入れちゃったし、MV東海の神奈川以東をこっちに組み込む、
なんてこともありだとは思いますが、はたして!!

で、このSM連合。関東での存在感はかなり巨大だと思います。
ただ、でかければいいもの出ないのもまたSMの宿命。
ローカルSMが生き残っているのは創業者が頑張っているところが多いですが、
代替わりの時期と流通業界の合従連衡時期が重なって最近はM&Aのニュースが花盛り。
関東でもまだまだ多くのSMがしのぎを削っているだけに、
規模の経済が働くのか?と言われればそうとは言い切れないところ。
でも、確かに価格競争力や物流力、宣伝広告面では圧倒的有利と言えるでしょう。

特に宣伝広告では関東ローカルのCMをSMが打てるようになるんですからね。
地方は県域でテレビ局があるので県単位でSMがCMを打てますが、
三大都市圏のように広域局になるとSM単独でCMを打つのも商圏との兼ね合いがあります。
関東はそれが顕著ですよね。リアルな空中戦では圧倒的有利に立てるハズ。
が、持株会社の下に3つの店舗ブランドが残るとなると効果は限定的になるのが残念かな。

物流面でも地価の高い関東ではイオングループ全体で最適化出来れば効果が出そうです。
PC、DC、RDCなどなど、各種センターを統合するとコスト面で有利になるでしょう。
PCなんかは働く人手も必要になるから統合効果は高いんじゃないですかねぇ。
ヤオコーとライフの提携でもPCの活用が理由としてあげらてましたし。
SMは毎日2,3便出してるんですからモロですよ、経費面は。

あとは各店舗が消費者に受け入れられるか、と言うところにつきるでしょう。
みなトップバリュをエンドに大陳するだけだとすぐ飽きられるでしょう。
店作りという点では首都圏と言えども都心と茨城の郊外では全く消費者も違います。
そういう店では会社のなかでSVをどう鍛えていくかと言うのが重要になると思います。
純粋な商品部はね、規模がでかくなりますからやりやすくなるでしょう。
(生鮮品は物量を確保出来るかという大きい故の問題は発生するでしょうけど・・・)
あとは店舗をサポートするSVを3社のノウハウを持ち寄って、
いかに鍛えるかじゃないかと思うんですよね。

セブンイレブンの競争力もSVに追うところが大きいです。
店舗で売り場を作る従業員も重要ですし、魅力ある商品を調達する商品部も大事です。
でも、それらはどのSMも力を入れていることです。
であるならば、次はSVに焦点が当たる時代になるんじゃないかと思います。
そこをどうレベルアップしていくか、そこが首都圏の大競争時代を生き残る
鍵になるんじゃないかと個人的に思うわけです。

そして店舗ブランドですよね。
いずれマックスバリュに統合ってことになるんでしょうか・・・
折角ですからねぇ、3ついかして欲しいですよね。例えば、
都心部(東京都区部、政令指定都市):マルエツ
都市部(埼玉、千葉、神奈川、23区以外、県庁所在地):フードスクエアカスミ
郡部:マックスバリュ
とかね。もしくはカスミかマルエツをプライスラインを上に広げて、
アップグレードSMとして価格帯を変えて展開するとか。
高級SMは都心でしか通用しないですから、
アップグレード(プレミアム)SMとして打ち出すのもいいかも。

と、第三者は夢膨らむニュースでした。
が、まだあとがあると思います。
数字が決まっていないと破談になるケースが多いですから、
そうならないといいですね・・・
個人的にはイオンが首都圏をどう戦うのか注目したいです。
でも一番肝心なのは誰がリーダーシップを取るかでしょう。
イオンに丸紅、マルエツ、カスミ。内紛だけはしないでね!

セブンイレブンとJR西日本の提携~駅ナカ勝負の行方~ [提携・M&A]

セブンイレブンとJR西日本の業務提携が発表になりました。
(セブンイレブンのリリースはこちら)

鉄道業界ですと近鉄がam/pmと提携したのがはしりですよね。
JR東日本はNEWDAYSで頑張っていますが、
JR西日本のハートインははっきり言ってオイオイというレベル。
セブンになったら売上はかなり伸びるのではないでしょうか。
しかも駅の500店舗がセブンに乗っかるというのは
ライバルにとってかなりうらやましい限りでしょう。
駅ナカと外は別ですから競合というのは当てはまりませんし、
ここはうらやましいにつきると思います。

セブンイレブンも駅ナカを手に入れるために妥協したのか、
看板には小さくキヨスクとハートインの文字も残るようで。
その辺がJRの矜持なんでしょうかねぇ。
まぁセブンイレブンが名を捨てて(?)実を取る戦略を採ったのは正しいでしょうけど。

しかしなぜJR西日本はコンビニを上手く運営出来なかったんでしょう?
京都駅ビルの伊勢丹のように、餅は餅屋に任せると決断したのか?
それはそれでありな話ですけどね。

このところはローソンが地方のエリアフランチャイジーを
ライバルからゲットする事例が多かったですが、
今後は鉄道系やらの親会社が別にある中小コンビニが淘汰される
最終段階に入ったと言えるでしょう。次のM&Aはどこだ?

セブン&アイの空中戦~一気呵成のM&Aの行方~ [提携・M&A]

す~~~かり更新が滞りあっという間に4半期経過。
なにかと忙しくこのままでは読んでくださる方がいなくなってしまいそうですが、
あきらめずにまた書き続けます。

さて、そんなこのブログの空白期に目立ったのがセブン&アイによる怒濤のM&A。
イオンも真っ青?になるような空中戦を繰り広げました。
天満屋ストアと資本提携、天満屋と業務提携、ニッセンの買収、
バーニーズニューヨークと資本提携、バルスと資本提携・・・
かなり積極的に取りに行ってますね。

天満屋ストアの話で思い浮かぶのはイオンによるマルナカの子会社化。
これで中国・四国地方はイオンVSフジVSイズミの3社鼎立という、
北海道三国志に近い感じの業界地図が見えてきました。
そこで敵の敵は味方とばかりにセブン&アイが天満屋と手を組んだ感じ。
天満屋自体もいざとなったらそごう西武に吸収してもらえばいいわけですし。

ニッセンの買収は高い買い物か安い買い物か、ちまたの評価は分かれています。
なんだかんだいっても通販の顧客は厚いと考えるか、
もはや終わった業態と組んでも仕方ないのではと考えるか、ですね。
ニッセンの物流ノウハウが魅力、といった記事も見かけましたが、
そんなものは宅配便業界の方が優れてますしねぇ。
コンビニのラスト1マイルとの融合という論調も、コンビニは倉庫でないのだから、
そんなに顧客とのアプローチを縮める効果はないと思います。
カタログのノウハウが吸収できるといっても、
カタログとウェブは違いますし、これからウェブ時代を考えるとこれも??
となるとなかなか買収効果が見えてきません。

私はセブン&アイに買収した企業を成長させる力はほとんどないと考えます。
唯一成功例がヨークベニマルだけかと。
ベニマルの場合は優秀な創業家とのいい意味での緊張関係があったから
資本提携がうまくいっていたと思います。
そごう西武は成長しているとはいえないですし、
赤ちゃん本舗も西松屋の陰に隠れてすっかり肩身が狭いです。
ロフトは小型店を出したりがんばってはいるようですが、
成長という点で見ると?マークがつくでしょう。
現状維持はできるんですよね。ただ「成長」しているかというと物足りない。
そういう意味ではセゾングループは偉大でした。
こちらも堤清二氏が鬼籍に入られたので改めて書きたいと思います。

バーニーズニューヨークは一時期のユニクロによるブランド買収とかぶって見えます。
現在のブランドを補うブランドを買収するのはいいのですが、
それをどうグループに生かすのか、どう成長させるのか、それがみえないですよね。
そごう西武に入れる?そんな基幹ブランドになるのか疑問ですよねぇ・・・
ユニクロもブランドのてこ入れに手こずってますし。
(それでもg.u.を再生させたのは見事ですけど)

そしてバルスの買収。これはイオンが欲しかったでしょうね。
R.O.Uを始めましたが今のところ鳴かず飛ばずといってもいいでしょう。
イオンバイクやイオンリカーの成功と比べれば全然ですよね。
セブン&アイはすでにロフトを傘下に収めていますから、
フランフランは若干かぶります。
まぁバルスはSPAですからそういう専門的な区分ではかぶらないんでしょうけど。
でも同じ生活雑貨店でどう棲み分けを図るのか注目です。
むしろ地方のイオンSCに出られなくなるのはバルスにとって痛いと思いますけど。
そういう意味では無印にとって大きな追い風になるでしょう。
地方マーケットでの競合が制約されるでしょうから。

と、見てみると怒濤のM&Aも全体業績からみるとどうプラスになるか・・・
アリオにうめてもまだ物足りないですよね。
ローカルマーケットに手を出さず、大都市圏回帰を鮮明にしたというならわかります。
でも、大都市圏でもセブン&アイの色がつくのは果たしていいことなのか?
私の予想が裏切られセブン&アイとイオンがさらに高めあってくれることを祈りたいです。

Jフロント、ピーコックストアを手放す~見事なるポートフォリオ再構築~ [提携・M&A]

もう1ヶ月たってしましましたが敢えて取り上げたいと思います。
Jフロントリテイリングが子会社であるピーコックストアを
イオンへ売却することが発表になりました。(リリースはこちら)
世間ではイオンがピーコックストアを買収!となりますが、
むしろJフロントがいいタイミングでピーコックストアを手放した、そう感じます。

鉄道系百貨店はターミナル駅に百貨店を構え、
沿線の駅沿いにSMを展開して利用客をごっそり抱え込むビジネスモデルです。
が、鉄道系ではないJフロントにとってSMを抱え続けるメリットは少ないですよね。
しかも、大丸と松坂屋の合併に伴いSM子会社をまとめたため、
全82店舗(+百貨店内6事業部)ですが、首都圏・中部・関西に分かれていて
非常に効率が悪いと言わざるを得ないでしょう。
価格競争に巻き込まれ業績も厳しい、資金はパルコや百貨店につぎ込みたい、
となればパルコ争奪戦で一戦交えたイオンにピーコックを譲ってやれば
両社の”手打ちの品”としてなかなか魅力的にみせられて、
お荷物も一つ片付くなかなかいいアイデアだと思います。
感情論で言えば、敵とM&Aの話をするのは普通の会社は出来ないですが、
奥田氏の薫陶よろしくJフロントはそういった感情論とは無縁だったんでしょうかねぇ。

しかし、Jフロントはやはりなかなか商売上手だと思います。
パルコを手に入れたことでSMを手放す事業ポートフォリオの再構築は見事ですね。
鉄道系でない百貨店は今後同じような決断をしやすくなるかもしれません。
首都圏の競争激化が緒に就いたばかりですから、売り時は”今でしょう!”

ただ、ベストシナリオを追求するならパルコ株とトレードしたかったはず。
ピーコックストアにプラザの持ち株会社であるスタイリングライフ・ホールディングスの株を
つけてやるというのはどうでしたかね?
まぁTBSが過半数持ってるので思い通りにはならないでしょうが、
これならイオンも若干動いたかも、とはいえませんかねぇ。
イオンから見れば、ベストシナリオはJフロントリテイリングもろとも吸収してしまうことでしょうが。
マスコミはそういったイオンの”野望”をかき立てていますし。

ただ、このあとさらにイオンはダイエーのTOBも発表しました。
資金はいくらあっても困らない状況です。
パルコ株を中途半端に持っているくらいなら、現金化する機運は生まれました。
世間の見方とは逆にイオンがパルコ株を手放す(Jフロントリテイリングが引き取る)可能性も・・・
というのは穿ちすぎ?まぁいずれはっきりするでしょう。

イオン、遂にダイエーを飲み込む~GMS再編の最終章~ [提携・M&A]

すっかりご無沙汰のブログ更新になってしまいました。
新年度も始まったことですし、タイムラグがあっても書きたかったネタを
遅ればせながら書いていこうと思います。
ということで、今回はイオンのダイエー子会社化のニュースを取り上げます。

イオンがダイエー株のTOBを2013年3月27日に発表しました。(リリースはこちら)
丸紅(およびその子会社)が持つダイエー株20%あまりをTOBにより取得、
その他一般株主からも買い取るというもの。
ただ、事前に観測報道がガンガン流れたのでダイエー株が上昇、
結果的に発表当日の株価から見るとディスカウントTOBになりました。

一時は連結売り上げ3兆円を越える流通業界のリーディング企業だったダイエーが、
当時は業界3位だったイオンに買収される結果になったわけです。
さらに、一時はイオンに追いつけ追い越せだったマイカルも傾いてイオンが買収、
20年前の業界1,3,4位がイオンの元に集結したことになります。
GMSだけで見れば圧倒的ガリバーが誕生しました。
GMS斜陽論とでも言うべき見解が多い昨今ですが、私はまだまだ有望だと思います。
だって、マーケットが兆円単位の業界ってそうそうないですよね。
百貨店だってそうですし。これから売り上げがシュリンクしていくという見方はありますが、
しぼんでもまだまだなくなることはない業界だと思っています。

さて、ダイエーが「漂流」しているうちにいつの間にか売り上げは1兆円を割り込んでしまいました。
地方の店舗はどんどん閉めてしまい都市部の店舗がメインになっています。
まちづくり3法以降の流れで首都圏シフトの流通業界の流れが、
ダイエーにとっては最後の売り時がやってきてようやく漂流が終わった、そんな感じかと思います。
この漂流は結果的に良かったのか悪かったのか・・・

丸紅とイオンの連携が悪く、PBも中途半端なトップバリュの導入とダイエーのPB残存、
店舗の高齢化、などなどダイエーが浮上できなかった理由はいろいろあると思います。
が、結果的にココまで落ちなければ再建の目は出なかったともいえると思います。
マイカルも法的整理によって再建にスイッチが入りました。
ダイエーもイオンに飲み込まれることによって目覚める最後のチャンスを掴んだ、
そう前向きに考えてほしいですね。

イオンにとっては首都圏の店舗と人材の確保がメインのようです。
しかし昔のイメージだとダイエーって自社物件でやってますよね。
すでに業績悪化により資金調達のためにめぼしいところは証券化してしまったかな?
その辺の処理も気になります。証券化してたら赤字店の閉鎖はコストかかりますよね。
自社物件なら証券化するなり、売却するなり、使い道はありますし。
まぁあまり期待できないでしょうけど。
あるいは駅前多層階店舗ならフォーラス、ビブレへの転換という手もありますか。
その場合1階はマックスバリュかまいばすけっとあたりのSMになるでしょうけど。

いずれ100億単位の資金を投入するんですから、
イオンのお手並み拝見と決め込みましょう。

コープみらいの誕生~巨大生協の目指すものとは? [提携・M&A]

2012年11月16日(金)、首都圏で展開するコープとうきょう(本部・中野区)と、
ちばコープ(同・千葉市)、さいたまコープ(同・さいたま市)が臨時総代会を開き合併を議決、
来年3月に「コープみらい」を発足させることになりました。
(リリースはないのでコープとうきょうのwebサイトにある
重要なお知らせをこちらからご覧ください。)

この合併が実現すれば、売上高に相当する2011年度の供給高は
単純合算で約3500億円で全国の生協で最大の規模になるそうです。
区域(営業エリアですね)は東京都、埼玉県、千葉県の3都県。
日本一肥沃なマーケットを押さえる「メガ生協」が誕生するわけです。
しかし思うのですが、なぜ「コープみらい」なんでしょうかねぇ。
どう見たって「コープ関東」ですよね。農協もそうですが、なぜ地名をすてるんでしょうか?
地元密着なら真っ先に地名を掲げてしかるべきだと思いますよ。
みらい、なにを目指しているんでしょう・・・

と、のっけからけちをつけてしまいました。
報道によると、これら3コープはこれまでも、いばらきコープ、とちぎコープ、
コープぐんま、コープながの、コープにいがたの計8コープで
「コープネット事業連合」をつくって仕入れや宅配システムを共同化、
コスト削減を進めてきたそうです。2012年6月段階でその組合員400万人、
そして2011年度の総供給高約4900億円の巨大グループです。
約5000億円の売り上げと言えばSMでいうとイズミ、ライフコーポレーションくらい。
上にはGMS企業しかいませんからかなり巨大組織です。
その中核となる3コープが合併したとなると、外野はさらなる合併を騒ぎ立てるでしょうね。

で、脱線続きでなかなか本題に入れませんが、いよいよ本題。
この3生協、合併の目指す先には何があるのでしょうか?
宅配はネットスーパーやネット通販に浸食され、
店舗はSMとの競合が激化しているうえにCVSなど異業種との競合も発生、
「安心」を掲げるPBも、民間各社がPBを強化する中で埋没気味・・・
そうなると規模の経済を求めて合併を指向せざるを得ないという、
SMなど流通各社と戦略が全く同じくなっているわけです。
株式会社と協同組合という資本の違いがあるだけ、といってもいいでしょう。
そんな状態で規模の経済を求め、黒字化した先に何を描こうとしているんでしょうか?

例えば、食品の放射能汚染問題。
これまでだったら生協が最も食品の安全性アピールをする場面だったと思います。
が、マスコミで取り上げられるのは流通各社で違う残留放射線量の扱い
(何Bq以上ならアウトとか、ゼロBqをめざすとか)ばかりで生協の存在感は限りなく薄かった。
被災地の復興支援だってそうです。
生協なんかが先頭に立って被災地の商材を発掘し、
全国へ向けて売り出して風評被害を払拭する先頭に立てたはず。
ところが最近生協の存在感は薄れるばかりな訳です。

よく言われるのは店舗事業の赤字問題。
SMの店舗大型化と合従連衡の進行により生協の店舗事業はどこも苦しいといわれます。
かつて最強といわれたコープ神戸も店舗事業が震災で大ダメージを受け、
すっかりい元気をなくしてしまっています。いま店舗事業で元気があるのは、
イオン、アークスと北海道を三分する激戦を繰り広げているコープさっぽろくらいでしょう。
特に首都圏は各社が小型店を強化したり、生鮮コンビニが続々出店したり、
競合は激化する一方です。規模の経済よりも、
マネジメントの問題の方が大きいかもしれませんね。
そういった中で規模を拡大して果たして体力を強化できるのか?
地域密着の営業活動を出来るのか?疑問が生まれるわけです。

店舗数が多くなれば当然チェーンストア理論で言えばある程度統一された
オペレーションをしなければ運営がうまくいきません。
しかも区域は拡大している訳ですから地域性もよりバラエティーに富んでいきます。
センター投資も必要となるでしょう。大きくなったからといって、いいことばかりではありません。

しかし3生協は合併を選択したわけですから、規模の経済を生かした施策を行い、
組合員に安心を届けなくてはなりません。
果たしてそれはどんなものなのか、役員はそれを示す責任があると思います。
それが出来ないのであれば、生協が存在する理由はないでしょうから。
2強は規模を生かして次から次へと様々な取り組みを打ち出しています。
日本最大の生協が、どんな「みらい」を描くのか注目しましょう。

J.フロントがパルコを子会社化~鳶は百貨店からやってきた~ [提携・M&A]

J.フロント リテイリングが、パルコのTOB結果を発表、
約65%の株式を保有し連結子会社化することが明らかになりました。
パルコもリリースを発表していますが、そこにはJフロントのリリースが
一緒につけれられており、子会社化したんだな~という感じです。(リリースはこちら)
以前、私もパルコの行方は取り上げてますが、鳶はJフロントでした(笑)

しかしリリースをみて思いましたが、買う方と買われる方の違いですよね。
パルコは株主の異動がありました、というのがメインの内容。
Jフロントは株式をこうやって公平に買いました、というお知らせ。
やはりM&Aというのは手間がかかるもんだと再認識しました。
そして、買われる方は結果を知らされるだけという悲哀ですかね。
ただ、パルコの場合はイオンという強敵から守ってくれた”ホワイトナイト”の発表ですから
ようやく胸をなで下ろした瞬間でもありましょう。
イオンが主要株主でなくなったというリリースも事前に別途出してるくらいですし。
なんかうれしさがこぼれだしそうな感じを受けるのは私だけでしょうか?

さて、今回のTOBに話を戻すと、森トラストと政策投資銀行は
パルコ株のイグジットが確保出来て(売り抜けが成功して)よかったよかった、
パルコもイオンに振り回されて田んぼの中に駆り出されるような心配もなくなってよかった、
イオンだけがパルコ株に投じた資金を塩漬けにすることになってオイオイ、といったところ。
ただ今回、イオンはTOBに応募しなくて正解でしょう。
TOBでの取得株数に上限がありましたから、中途半端に残されたらむしろ面倒ですから。
主要株主の座からは転落しても第2位株主の座を維持出来れば、
次の打つ手に重みが加わるというモノです。

さて、パルコの行方ですが・・・Jフロントは数店をパルコへ業態転換するでしょうね。
もしかしたら、百貨店業態は大丸の札幌、東京、梅田、心斎橋、松坂屋の名古屋、
くらいに縮小してあとは一気にパルコ化ということもあり得るんじゃないでしょうか。
百貨店が床貸し業になって久しい以上、そういった打ち出しはあり得るかも知れません。
現に、百貨店には似つかわしくないといわれるファストファッションや
SPAを導入してきたのがJフロントですから、タブーなき施策がとられるかも。
パルコとしては、イオンに買われてフォーラスとビブレを任されるよりは、
いい立地で商売が出来ますので悪い話ではないですし、
むしろJフロントの方が主導権を奪われることだってあり得るでしょう。
まぁ、どこが主導権を握るとか、ゴーイングコンサーンを考えるとどうでもいい話ですが。

さて、そうなると残る疑問はイオンの出方です。
果たして水面下でJフロントと何らかの手打ちを考えているのか?
フォーラスとビブレについてどうにかしたいというのはあるでしょうし、
これからを考えると都市部でのファッションビルは強化したい分野だと思います。
最近イオンはJR東日本とも組んでる例もあるので、ルミネとの提携に走る?
そんなどんでん返し(?)があるかもしれないのがこのところの流通業界。
SMの再編劇なんかまさにそうですしね。
まぁ、しばらくはイオンがパルコ株で動くことはないと思います。
静かなる次の一手を、Jフロントのパルコの取り込み具合を見ながら待ちましょう。

イオンとローソンの協業~まさかのロッピー投入~ [提携・M&A]

イオンとローソンが、エンターテイメント分野での協業を発表しました。(リリースはこちら)
内容としてはロッピーをミニストップ全店に導入し、
年に3回程度キャラクターを使った共同販促を行うとのこと。
さらには将来的にアジアへの展開も考えていると。

以前、WAONが始まった頃、ローソンが導入するという話がありましたが、
やっぱり音沙汰がないのでなくなったかなと思っていたら、
全く畑違いの分野での「協業」が出てきました。
あくまで「協業」であって「提携」ではないわけです。
提携となるとどうしても「資本提携」をイメージする、というのもあったでしょうね。
しかし、どちらかという「販促」に近いものがあると思いますが、
ロッピーを導入するというのは立派な「業務提携」だと思いますけど。
どちらかというとローソン側のメンツを立てて「協業」に落ち着いたんでしょう、きっと。

しかしイオンはミニストップにロッピー導入とは思いきったものです。
これで外野は次はミニストップとローソンの合併か?と色めき立つでしょう。
そしてローソンがイオングループ入りすると。
ローソンの親会社は三菱商事だし、しかもイオンの大株主でもあるわけで。
まぁ当分そういった話はないと思いますけど。
まぁ両者が経営統合してローソンの新浪社長がイオンの社長になる、
なんて話が出たらますます外野は喜んでかき立てるでしょうがね。

で、話を協業に戻しましょう。
今回はミニストップにだけロッピーが導入されるようですが、
どうせならイオン全店に導入しても良いと思いますよね。
あと、さらに一歩踏み込んでマックスバリュとかGMS以外の業態にも。
イオングループ全店にロッピー導入したら結構面白いと思います。
一気に取扱高も増えそうですし、セブン&アイに対する大きなアドバンテージになるかと。
そうすればその昔ダイエー資本だった頃、ロッピーでイオンカードが使えなかった時代は
もはや伝説になるんですが(笑)

しかし今回の話はローソンにメリットが多く見られると思います。
車の情報サービスが、トヨタのgazoo、日産のカーウイングス、ホンダのインターナビに
集約されたように、コンビニのエンターテイメントサービスも集約されるかも知れません。
ATMサービスがそうですよね。やはり情報システムへの投資は大変ですから、
レジシステムだけでも莫大な投資をしている以上、
その他のシステムを他から導入するというコンビニチェーンが続きそうです。
経営的にも収入アップにつながりそうですし、
コンテンツ集めにもその普及度合いがプラスになるでしょう。
それを将来の経営統合含みか?なんて囃し立てずに、
温かく見守っていきたいと思います。

ライフとヤオコーの提携話 [提携・M&A]

2012年5月15日、ライフコーポレーションとヤオコーが業務提携検討に関する覚書を
締結したことを発表しました。
リリースは両者同じ内容なのでライフのをこちらから参照下さい。

いや~ライフはラルズの怒濤の追い上げに触発されましたかね?
SM業界トップの売上を誇るとは言え首都圏と関西圏に展開し、
店舗網から言えば弱い首都圏を確固たるものとする提携といえるでしょう。
内容としては、商品の共同調達・開発、資材の共同調達、災害時の相互応援、
プロセスセンターの相互活用、人事交流・共同教育、その他となっています。

ここで注目はPCの相互活用でしょうね。
業務提携でPCが入るって言うのはかなり珍しいと思います。
業務提携といえばすぐに将来的には統合か?
となるわけですが、PCの相互活用となればそこで加工された商材が
お互いの店頭に並ぶわけで、業務の統一化という目に見える変化がおこります。
そういう意味ではかなり踏み込んだ話であると思えますし、
将来的に世間が喜びそうな発表があるのではないかな、と予想されるわけです。
そこまで話が行かなくても、かなり本気の提携であることは窺えます。

となると、一方のヤオコーにとってはどうなのか?
そこがこの提携の今後を左右するといえるのではないでしょうか。
東京都、神奈川県での物流はかなりメリットが見えますので、まずはその辺でしょうかねぇ。
北関東をヤオコーが、南関東をライフが展開するという暗黙の棲み分けがなされるかも。
ただ、関東の競争も厳しくなってきているので、
将来へ向けた保険的な意味合いが意外と大きいのかもしれないですし。

いずれにしろ、あとは提携の実現度を見ていくしかありませんね。
関東地方ではSMの再編が今後も進むことだけは間違いありません。
そこにアークスが一気に飛び込んでくるか?イオンが得意の空中戦をかますのか?
西友が牙城を死守せんと新たな仕掛けをしてくるか?
そして伏兵セブン&アイがおいしいところをさらっていくか?
2,3年後が流通業界ウォッチャーは楽しみです。

アークスとジョイスの経営統合~アークスの南下はつづく~ [提携・M&A]

昨年、青森のユニバースと経営統合したアークスが、
今度は岩手のジョイスの子会社化による経営統合を発表しました。(リリースはこちら)
(ユニバースとアークスの経営統合の件はこちらも参照ください。)

岩手はこれでアークスグループの確固とした地盤化が完了しましたね。
北から岩手に南下したユニバース(ユニバース自身岩手のファルを吸収してますが)と
ジョイスがアークスグループに入り、残るはと沿岸と県南似展開するマイヤ、
盛岡市内で展開するマルイチ、岩手県南と宮城県北のベルプラスあたりでしょうか?
アークスお得意の空中戦で着々とグループ化が進展してちょっとビックリです。
今までの例を見ますと、つながりのあるCGCの加盟社がグループ入りする例が多いです。
東北のCGC加盟社はみな候補である、
と当事者の思惑を越えて話が入り乱れることになるでしょう。

で、そのジョイスですが、本来であればユニバースと一緒にするのが一番良いですが、
現時点で建前としてそういうつもりはないようです。
が、いずれ一緒になるときが来るでしょう。
そうしないと経営統合した意味が無いわけですから。
それがどのタイミングなのか?次の注目点はそのときですね。

イオンはマイカルとジャスコの統合に10年かけました。
そのくらいかけるのか?そんな時間は無いでしょうね。
もう1,2社東北でアークスグループ入りする企業が現れれば、
東北地区の持ち株会社を立ち上げ、「アークス東北」として
一気にブランド統一をはかるといったパターンが有力でしょうか?
イオンがブランド統一を進めていますがそれはやはり消費者にとって分かりやすい取り組みです。
同じアークスグループで看板が違う意味があるとは思えません。
そういう意味では、流通業界の経営統合って消費者を全く向いていませんよね。
お互いのメンツと取引先のしがらみが優先している気がしてなりません。

さて、そうなると次はどこに行くのかアークスは?となるわけです。
秋田はマックスバリュ東北とユナイト(伊徳・タカヤナギ連合)で決まりです。
宮城は県北にウジエスーパーが構えそれ以外はヨークベニマルががっちり、
そして古株のCOOP宮城ですか。山形にはヤマザワがどっしりと構えています。
これからの東北は激戦が期待されてサービス向上につながることを期待したいですね。
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