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イトーヨーカドーの正社員削減報道に思うこと [雑誌・新聞記事・テレビ番組]

ちょっと時間が経ってしまいましたがイトーヨーカドーが
正社員をセブンイレブンやそごう・西武へ転籍させパート・アルバイトを増員するとの
報道が一斉に流れました。
報道を見るとGMSのコスト削減を行い競争力を高めるための施策である、
優秀なパート・アルバイトを引き立てて売り場を荒れさせないというもの。
う~ん、どうなんでしょうか?個人的にはこれがイトーヨーカドーの
”終わりの始まり”になってしまうのではないかと危惧しています。
かなり個人的な見方で別に根拠があるわけではないので、
そこのところよろしくお願いします。

イトーヨーカドーの最近の傾向としては都市部でのSM小型店の出店と、
アリオのモールSC出店に二極化しているといえるでしょう。
確かに大丸も札幌店の出店に際してパート比率を一気に高め、
好業績を上げて業界の耳目を集めました。
これをヨーカドーは全社を挙げてやってしまおうというわけです。
なかなかチャレンジングな取り組みといえるでしょう。
成功すれば、確かに大きな成果を得られそうです。
ただし、新しい二正面作戦を展開する上で、そこまで非正規従業員に頼れるのか?
また転出していく従業員が新職場で適応できるのか、心配であります。

新店オープンは戦場です。今でもオープンの時には多くの応援を投入しています。
まぁパートさんを送り込めばいいだけの話ではありますが、
人材育成の面からいっても、正社員比率の減少が
企業の足腰を弱めるのではないかと危惧します。
日常業務のOJTやそういった応援で”外”の店舗の経験を積んで成長します。
少ない正社員の中でそういった人材教育が維持できるのでしょうか?
別に教育はパートさんにしてもらえばいい、全くその通りです。
ですが、ならばなぜパートと正社員の区別をつけるのか、ということになります。
まxち、身分の話をおいておくにしても、出店戦略は人材なくては出来ません。
これからの新体制でそれを成し遂げる人材が弱体化する可能性は否定できないでしょう。

セブン&アイのロフトは仕事で給与を決めるフラットな組織を導入したと話題になりました。
グループの成功体験をヨコ展開するのかもしれません。
が、やはりイトーヨーカドーという元親会社でそれが出来るとは思えないんですよね。
しかもお客さんは絶え間なくやってくるわけですし、
将来の幹部社員を育てるにしても母集団は大きい方が有利なはず。
今でさえ多すぎる正社員の抱えているのでしょうか?
チームMDを推進し、商品の価値を追求するヨーカドーであるならば、
お客様への接客も重視していると思いますし、
従業員を維持できないような商売をむしろ畳むべきである、と言いたいですね。

また、セブンイレブンとそごう・西武が移籍先としてあげられています。
食品部門の出身者がセブンイレブンに行って、衣料・住余の出身者が百貨店に行くんでしょう。
でも、都市部の小型スーパーを出店するのであれば
食品部門の出身者はいくらいても困らないです。
どちらかというと、最近不振が続く衣料・住余出身者が
移籍のターゲットになりやすいんじゃないでしょうか。
百貨店にしても従業員を預けられても新規出店が続くわけでもないし困りますよね。

勘ぐってみると、ヨーカドーが利益小売業日本一を謳歌していたころの人材が
社内でダブつているのかな、と思ったりします。
イオンは相変わらず出店意欲旺盛で売り上げも拡大していますが、ヨーカドーは縮小均衡気味です。
ヨーカドー以上にダイエーとマイカルが小さくなってしまったので目立たないですけど。
また、以前は衣料品のヨーカドーでしたからそちらの従業員も多いでしょう。
食品で稼ぐアピタやイオンとは違いますしね。
従業員の定着率も絶対食品の方が低いので入れ替わりが早いという側面もあります。
そういった企業体質的なことも影響しているのかな、と。

そういったことを始めとして、いろいろ疑問がある話です。
リストラするわけでもなく、ホールディングを生かしてだぶついている人を
子会社間で動かすのはまさに持ち株会社の面目躍如といえるでしょう。
が、コスト面の数字で決めたことが、会社の屋台骨を揺るがす影響を
10年後、20年後に現れるんじゃないかと危惧しますね。
ワールドのようにショップ店員を正社員化する動きもありましたから、
時代に逆行している感じがどうしても拭えません。
これから人口減少社会においていつまでパート・アルバイトに頼れるのか疑問です。
これがヨーカドーの分水嶺だった、というのが全くの予想外れに終わってほしいものです。
だって、ヨーカドーがこれ以上小さくなってしまったらGMS業界は寂しいですから!
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